各地で広がる“ゼロコロナ政策”への抗議行動 香港にも拡大 中国政府は
中国では厳しい「ゼロコロナ政策」への反発から、各地で抗議活動が行われています。その抗議活動は香港にも拡大しています。
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中国・広州で28日夜、住民がPCR検査のテントを壊し、物を投げつける騒ぎが起きました。ゼロコロナ政策のため3週間以上、団地に閉じ込められ、我慢の限界に達していたのです。すぐさま防護服姿の警察隊が隊列を組んで現れ、抗議を制圧しました。
浙江省の街中でも、人が集まらないよう厳戒態勢がしかれていました。その理由は、週末から中国各地で広がっている大規模な抗議活動です。
24日に10人が死亡したマンション火災で、「コロナ対策による移動制限が救助の遅れを招いた」と指摘する声が高まり、抗議活動は香港にも波及しています。28日夜、多くの人が街中で、無言で白い紙を掲げていました。この“無言でかかげる白い紙”は、政権に逆らえばたちまち制圧され、何も主張することができない中国の実情を表現しています。
参加者
「今のロックダウンの政策は、もっと合理的な政策に変えるべきです」
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ゼロコロナ政策への批判は、日本を含め海外にも広がっています。
上海でBBCの記者が拘束されたイギリスでは、スナク首相が「中国政府は国民の声を聞くどころか、記者に暴行するなど弾圧を強めている」と批判しました。
アメリカ・ホワイトハウスも「ゼロコロナ政策によってウイルスを封じ込めるのは非常に困難だ」とし、抗議活動を支持すると明言しました。
一方、抗議活動へのコメントを求められた中国外務省の報道官は、質問した記者を一蹴。
中国外務省 趙立堅報道官
「あなたが言われたこと(抗議活動)については、認識していません。次、どうぞ」
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29日、首都・北京では、濃厚接触者が入居するための隔離施設が、氷点下の寒さに耐えきれるようテントからプレハブに建て替えられていました。
北京でも人気の観光スポットでは、感染の拡大で営業できない店舗が並んでいました。上海では、テレビ塔の営業が休止されました。厳しいゼロコロナ政策は今、限界に近づきつつあります。