ヘルソン“完全掌握”発表…ロシア軍、抵抗する市民を催涙弾で排除
ロシア軍が侵攻して支配を強めるウクライナ南部の都市ヘルソンで、抵抗する市民らをロシア軍が催涙弾などを使って排除し、けが人が出ています。
映像は、27日にウクライナ南部ヘルソンで撮影されたものです。前日、ロシア国防省はヘルソン州全域を完全に掌握したと発表し、市長を一方的に解任しました。これに対し市民らが集まり抗議活動を行いましたが、ロシア軍が催涙弾などを使って排除し、4人がケガをしたということです。
ヘルソンでは、ロシア側が「人民共和国」にするための「住民投票」を画策していると指摘され、警戒が強まっています。
そのロシアのプーチン大統領は27日、議会関係者らを前に演説し、ウクライナへの軍事支援の度合いを強めるアメリカなどをけん制しました。
プーチン大統領「(ロシアに対して戦略的脅威を作り出すなら)素早い対抗措置を取る」
またプーチン大統領は、ウクライナへの軍事作戦の目的は確実に果たされるとする一方、西側諸国による経済制裁は失敗に終わったとして、5月9日の戦勝記念日に皆を祝福したいと述べました。
ロシア軍の攻撃はウクライナ東部と南部を中心に続いていますが、国連は、27日までにわかっているだけでも2787人の民間人が殺害されたと発表しました。
ロシア軍が包囲する中、多くの民間人が避難している南東部マリウポリの製鉄所をめぐっては、国連のグテーレス事務総長がプーチン大統領との会談で、国連が加わる形で「人道回廊」を設置することで合意し、28日のウクライナのゼレンスキー大統領との会談を経て実現したい考えです。