80年代のJ-POP「軽快だがどこか哀愁も…」韓国の若者に日本ブーム!? 3月訪日はコロナ前超える【バンキシャ!】
インバウンドが復活しつつあるいま、最も多く日本を訪れているのが韓国からの観光客だ。実はいま、韓国の若い世代の間では、日本ブームが起きているという。バンキシャ!が韓国からの観光客を取材すると、こんにゃくゼリーやウイスキー、そして80年代のJ-POPなど、それぞれに日本を訪れる意外な理由があった。(真相報道バンキシャ!)
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24日、バンキシャ!は福岡市へ。ディスカウントストアを訪ねると、聞こえてきたのは……。
──(記者)あ、韓国語ですね。韓国からの観光客でしょうか。
韓国人の間で有名な店だとのことで、店によると客のおよそ8割が韓国からだという。今年3月、福岡空港ではひと月あたりの韓国人の入国者数が、コロナ感染拡大前の2019年を超えた。
店内にいた韓国から来た二十歳の女性には、どうしても買って帰りたい物があるという。
韓国からの女性(20)
「どれを買おうかな…」
──なんですか、これ?
韓国からの女性(20)
「こんにゃくゼリーです」
──こんにゃくゼリー!
すると女性は、大きなこんにゃくゼリーの袋を複数わしづかみにして、いくつも買い物かごに入れた。
──えっ。
女性はとまらずドンドン買い物かごに入れていく。
──おお…。
結局女性は、こんにゃくゼリーの大きな袋を8つ購入していった。見れば、別の観光客のかごにも、こんにゃくゼリーが入っている。実は韓国の若者にとって、こんにゃくゼリーが“日本みやげの定番”になっているという。
韓国からの観光客
「ダイエットの時のオヤツにいいんです」
──韓国では買えない?
韓国からの観光客
「はい、こういうのはありません」
変わって、30代の男性観光客。
韓国からの男性(32)
「なくなってる、売り切れだ」
指をさしているのは、カラになったウイスキーの棚だ。
──ウイスキーを買いに来た?
韓国からの男性(32)
「はい、探しています。韓国でいま1番人気のあるお酒です。韓国ではなかなか手に入らないんです」
いま韓国の若者の間では、日本製のウイスキーでつくるハイボールがブームになっているという。
韓国からの男性(32)
「韓国の芸能人がテレビ番組でハイボールを飲んでいて、人気が高まりました」
戻りつつある外国人観光客。中でも、最も多いのが韓国からの観光客だ。円安・ウォン高の影響もあり、その数は先月、全体の4分の1を超えた。
24日、都内のCDショップでも、真剣な目でCDを吟味している韓国からの観光客の姿があった。
韓国からの観光客(25)
「日本の歌が好きです。曲が好きです」
──なんで日本語が上手?
韓国からの観光客(25)
「米津玄師の歌を聴いて、歌詞を見て勉強しました」
聴くたびに「涙が出る」というその曲が「Lemon」だという。男性は歌ってみせた。
韓国からの観光客(25)
「あの日の悲しみさえ、あの日の苦しみさえ、そのすべてを愛してたあなたとともに~♪」
──すごい上手ですね!
そしてこの男性は何枚もCDをお買い上げ。この日ゲットしたものを見せてもらった。
韓国からの観光客(25)
「あいみょんの『愛を伝えたいだとか』と、米津玄師の『KICK BACK』。最近YouTubeやTikTokのショート動画のBGMで、あいみょんさんの歌がよく使われていて、韓国で人気が急上昇しているんです」
日本の曲のどこに魅力を感じているのか。
韓国からの観光客(25)
「メロディがきれいです! メロディがきれいで、ベースのリズムもラインも」
──でも、韓国にもK-POPがあったり、ステキな音楽があると思うのですが?
韓国からの観光客(25)
「韓国にはバンドの音楽があまりないです。アイドルとかEDM(ダンスミュージック)が多いので」
韓国から来た別の大学生2人も、日本のロックバンド「SPYAIR」のCDを探しに来たという。
韓国から来た大学生(21)
「K-POPは恋愛の曲が多いけど、日本の歌は、自分自身が成長していく歌詞が多いと思います。試験勉強の時に『できる!』って気持ちになるので、よく聞いています」
そして、取材の最中に街頭ビジョンからimaseさんの「NIGHT DANCER」が流れてくると……。
韓国から来た大学生(20)
「あ!! めっちゃ有名です!」
韓国から来た大学生(21)
「この歌もめっちゃ有名!」
この曲に合わせて踊った動画をSNSに投稿するのが、韓国ではやっているという。
また別の、韓国から来た大学生(21)が探していたのは…。
韓国から来た大学生(21)
「坂井泉水(ZARD)のアルバム」
──坂井泉水!?
韓国から来た大学生(21)
「はい。あとTUBEもあれば…。日本の1980年代~2000年代のヒット曲を集めた映像をYouTubeで見ていて、坂井泉水や(TUBEの)『シーズン・イン・ザ・サン』が気に入ったんです」
店のスタッフの案内で「TUBE」のコーナーへ。どういうところが好きなのか?
韓国から来た大学生(21)
「最近のJ-POPは、K-POPに似ている感じがして僕にとっては新しさがないんです。でも昔の曲は、メロディは軽快なのに聴いているうちにどこか哀愁もあって魅力を感じるんです」
(*2023年6月25日『真相報道バンキシャ!』より)