ロシアに占領地から連れ去られ…ウクライナに帰還した少女ら アメリカで協力訴え
ロシアが侵攻したウクライナの占領地から子どもを連れ去っているとされる問題で、ウクライナに帰還した少女らがアメリカを訪問し、解決に向けて協力を訴えました。
ロシア軍が一時占領した南部の都市ヘルソンに住んでいた17歳のマーシャさん(17)とナスチャさん(19)。去年10月以降、ヘルソンからロシアが一方的に併合したクリミア、さらにロシアが占領する南部ヘニチェスクへと連れ去られました。
現地で2人が撮影した映像には、暖房設備の不十分な部屋や質素な食事、親ロシア派の教師や当局による監視など、劣悪な環境が記録されています。反抗的な態度を取る子どもは体罰も受けていたといいます。
ロシアに連れ去られたナスチャさん(19)「ロシアの歴史を学び、ロシアの法律を受け入れ、ロシアのパスポートを取得しろと言われました」
その後、ウクライナのジャーナリストらの支援で、2人はことし2月に帰還しました。
2人の救出を描いたドキュメンタリー映像は、アメリカ議会でも上映されました。2人は「収容施設やロシアの占領下で何が起きているか、真実を知ってほしい」と問題解決を呼びかけました。
ロシアの侵攻開始以降、連れ去られた子どもは、2万人近くに上っていますが、帰還したのはわずか380人あまりにとどまっています。