【解説】「ノーベル平和賞」に収監中のイラン人権活動家 ナルゲス・モハマディさん…「女性の解放が実現するまで闘う」
6日、今年の「ノーベル平和賞」に、イランで長年、女性の人権保護や死刑廃止を訴え続けている人権活動家、ナルゲス・モハマディさんが選ばれました。ノーベル委員会は“イランにおける女性の抑圧に対抗し、人権と自由を促進するため闘った”とたたえました。
中島芽生キャスターが解説します。
■「ノーベル平和賞」…イランで収監中の人権活動家、ナルゲス・モハマディさんとは?
6日、今年の「ノーベル平和賞」が発表され、イランのナルゲス・モハマディさんが選ばれました。イランで長年、女性の人権保護や死刑廃止を訴え続けている人権活動家です。
ノーベル委員会は受賞理由について、「イランにおける女性の抑圧に対抗し、すべての人の人権と自由を促進するために闘った」とたたえました。
モハマディさんは、当局からの拘束が続き、いまも獄中生活を余儀なくされています。
そのイランが締め付けを強めているのが、女性の髪を覆う「ヒジャブ」の着用です。
イランの人権団体によると、今月1日、列車の中でヒジャブを着用していない16歳の少女が当局から暴行を受け、意識不明の重体だといいます。
そのヒジャブをめぐりイランでは、去年9月、着用が不適切だとして警察に拘束された女性が死亡し、大規模な抗議デモが起きました。
これについてノーベル委員会は、モハマディさんが「獄中からデモへの支持を表明し、連帯の行動を組織した」としています。
モハマディさんは受賞決定を受け、ニューヨークタイムズに声明を寄せ、次のように決意を示しました。
「平和賞の受賞で私はより決意を固くし、希望と熱意をもって歩みを加速させることでしょう」
「女性の解放が実現するまで、圧政的な政権による容赦のない差別やジェンダーに基づく抑圧と闘い続けます」
現在も拘束中のモハマディさん。今後の活動などに、日本の私たちも注目していきたいです。
(10月6日放送『news zero』より)