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激戦州でバイデン氏「得意の外交」にも逆風…米大統領選

2024年7月13日 17:47
激戦州でバイデン氏「得意の外交」にも逆風…米大統領選

バイデン氏がテコ入れに訪れたミシガン州ではいま、バイデン氏が得意とする「外交」をめぐって逆風が強まっています。来週には野党・共和党大会でトランプ氏が大統領候補に指名される中、選挙戦の流れを変えることはできるのでしょうか。

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5月、ウェイン州立大学。この日、大統領選を左右する「激戦州」のひとつ、ミシガン州の大学で行われていたのはイスラエルによるガザ地区への攻撃に反対するデモ。

キャンパス内でデモ行進を取材していると突然、学生らがテントを取り出し次々と張っていきます。

記者「停戦を求めるデモを行っていた学生たちですが、キャンパス内の広場で占拠を始めました」

キャンパス内での座り込みを事前に呼びかけると警察に排除される恐れがあるため、学生らはゲリラ的に占拠を始めたのです。

アメリカはイスラエルの最大の後ろ盾。学生らは大学が行っているイスラエル企業への投資をやめるよう求め、軍事支援を続けるバイデン政権を強く批判しています。11月の大統領選について聞くと──

デモ参加者「バイデン大統領はイスラエルへの資金援助や武器の援助をやめるべきです。誰に投票するかは言えないけど、間違いなくバイデン氏には投票しません」「バイデン大統領はパレスチナのために何もしていません。パレスチナ人の大量虐殺を許しています」「私たちの多くはバイデン氏、トランプ氏以外に投票するでしょう」

「歴代で最も親イスラエルの大統領だ」と自称したこともあるトランプ氏はもちろん、バイデン氏にも投票しないというわけです。

若者から激しい反発を受けるバイデン大統領。

一方ミシガン州には、アラブ系の住民が20万人以上暮らし、パレスチナで苦難に直面するアラブ人に思いを寄せています。

本来は民主党の支持層ですが、イスラエルを支えるバイデン外交をどう評価するのか、選挙での投票先が注目されています。

ミシガン州・最大都市デトロイト近郊の街ディアボーン。人口の半数近くをアラブ系住民が占めています。

街には、髪を覆う「ヒジャブ」を身につけた女性の姿や、英語とアラビア語が併記された店の看板が目立ち、全米で最大規模のモスクもあります。この地域で食料支援などを行う団体には多くの住民が礼拝に訪れていました。

今回、バイデン氏でもトランプ氏でもない第3の候補に投票する可能性が高いと団体幹部は指摘します。

イスラミック・センター・オブ・デトロイト ナブハン事務局長「第3の候補への投票は、トランプ氏に投票したということではありません。でも間接的にトランプ氏の勝利につながるでしょう」

バイデン外交には身内である民主党議員も反発しています。

パレスチナを支持する団体のイベントに登場した地元選出の民主党・タリーブ下院議員。パレスチナ系です。

タリーブ議員「国際司法裁判所は、イスラエルにラファへの侵攻をやめるよう命じました。しかしバイデン氏は、いま起きているのは大量虐殺ではないと言っています」

強まる逆風。バイデン大統領は12日、ミシガン州を訪れ改めて支持を訴えました。81歳という高齢批判に加え、イスラエルに対する煮え切らない姿勢が選挙戦に影を落としています。