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ツイッター“世界の半数”大量解雇で……「フェイク」投稿増える? 監視部門のチーム“解体”の証言も マスク氏に批判

2022年11月8日 10:58
ツイッター“世界の半数”大量解雇で……「フェイク」投稿増える? 監視部門のチーム“解体”の証言も マスク氏に批判

イーロン・マスク氏が買収したツイッター社が、世界の従業員の半数を解雇する経営再建策に乗り出し、混乱しています。問題は、解雇が誤情報を監視する部門にも及び、フェイク投稿などが増える懸念があることです。今後の経営にどう影響するのでしょうか。

■世界7500人の半数を解雇…大混乱

有働由美子キャスター
「2年前のアメリカ大統領選で、トランプ氏への票が不正に捨てられたとしてツイッターで写真が投稿されました。これはフェイクだったとニュースにもなりましたが、こうしたフェイクが今、また増えるのではないかという心配が出ています」

「ツイッターの経営権を握った起業家のイーロン・マスク氏が、世界の従業員7500人の半数もの人の解雇に踏み切りましたが、これが関係していると言われています」

小野高弘・日本テレビ解説委員
「ツイッターの中は大混乱です。アメリカメディアによると、従業員は『朝起きたら自分の仕事用メールにアクセスできなくなっていた』と嘆いています」

■経営立て直しへ…「選択の余地なし」

「日本でもそうです。ツイッタージャパンの広報担当者8人に取材でメールを送信しようとしたら『このEメールアドレスは存在しません』と8人とも戻ってきました」

「世界中でエンジニア、営業、カスタマーサポートと幅広い部門の従業員に解雇の通知が届いているようです。なぜこれだけの大量解雇なのか。マスク氏は『会社が1日400万ドル(約6億円)以上の損失を出している以上、選択の余地はない』と主張しています」

有働キャスター
「経営を立て直すために、解雇はやむを得ないと言っていると…」

■監視部門も解雇…マスク氏に批判も

小野委員
「ただ問題は、投稿内容を管理する部門の人材まで解雇することです。ヘイトスピーチなど誤った情報を含んだ投稿を監視する部門で、この人たちの目で最終的にチェックして警告を発したり、削除したりする大事なチームです」

「その人材について『15%が解雇された』と言う人や、『チームはもう解体された』と証言する従業員もいます。実際、アメリカの調査会社によると、ツイッター上で黒人を中傷する言葉の使用が、12時間で500%増えたという調査結果もあります」

「マスク氏はツイッター買収にあたって『好き勝手に言えて何の責任も取らないような無法地帯にはしない』と言っていますが、言っていることとやっていることが違うとも批判されています」

■ITジャーナリストに聞く…影響は?

有働キャスター
「ツイッターが荒れていくと、経営はますます苦しくなるのではないかと思いますが…」

小野委員
「その通りで、今すでに苦しいという指摘もあります。ITジャーナリストの三上洋さんは『従業員半減によってデマやヘイトのツイートの削除もアカウントの削除もあまりやらなくなり、誹謗中傷対策が緩くなると思われる』と言います」

「この結果として、三上さんは『そのことに危機感を抱くスポンサーがますます離れ、赤字がかさみかねない。マスク氏はその狭間で揺れている』と話しています」

有働キャスター
「赤字続きのツイッターを経営的に立て直すのが最優先ということは分かりますが、社会的影響力はあまりにも大きいので、ウソありヘイトありの、何でもありの場にはしてほしくありません。そして、使う私たちも改めて心したいと思います」

(11月7日『news zero』より)