ガザ地区で活動「国境なき医師団」現地の窮状訴え
イスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘が始まってから来月で1年となる中、パレスチナ自治区・ガザ地区で医療活動を行ってきた「国境なき医師団」のスタッフが現地の窮状を訴えました。
26日都内で会見を開いたのはガザ地区で医療・人道援助活動を行ってきた国境なき医師団の日本人スタッフらです。看護師の本川さんは激しい戦闘が続くガザ地区南部のナセル病院で治療に従事しました。
国境なき医師団・本川才希子さん
「手術にまだいけない患者さんの傷から血がにじんでハエがたかっている。病院の周りが生活廃棄物で囲われているような状況。(これまでの紛争地域と比べて)衛生状況はナセル病院が一番ひどい」
勤務した病院では、衛生環境の悪化が深刻だったといいます。
また連日、新たな患者が数多く運び込まれる中でベッドから離れられる程度に回復した患者は完治する前でも退院してもらうしかない状況だったといいます。
国境なき医師団・本川才希子さん
「爆破によって沢山患者さんが運ばれてくると、一気に入院の患者さんが増える。医療行為が自分達が目標とするところに到達しないことがよくありました」
また人道支援活動にあたった萩原さんは「医療体制は事実上崩壊しており大人も子どもも疲弊が限界に達している」と訴えました。その上で「人々にとっては『きょうも一日停戦が近づいた』と言うことで希望をもつことが最大限できることだった」とも話し、改めて即時かつ持続的な停戦の必要性を訴えました。