ドイツ 国内2原発の廃炉を延期 最悪の事態回避へ…冬の間の非常用予備電源に
ウクライナ侵攻の影響でエネルギー不足が深刻になる中、ドイツ政府は5日、国内にある2つの原子力発電所の廃炉を延期すると発表しました。電力需要がひっ迫する冬の間、非常用予備電源にするということです。
廃炉が延期されたのはドイツ南部にある2つの原発です。
5日、ハベック経済相は、この冬のエネルギー需給に関する調査結果を踏まえ、停電など最悪の事態を回避するため、年末に予定されていた廃炉を延期し、4月中旬まで必要に応じて電力供給できるようにすると述べました。
電力輸出国のドイツは、これまではロシアからのエネルギー供給が不足しても予定通りに原発を廃炉にするとしていましたが、干ばつで水力発電による電力が減り、フランスの発電能力が減ったことなどから、ハベック経済相は「この冬、危機的な状況に陥る可能性を完全に排除できない」と説明しています。
ただ、原発の稼働が実際に必要になる可能性は低いことから、予定通り、年末で一旦送電網から切り離される予定です。