ロシアのウクライナ侵攻から3年 宮崎県内で暮らす避難民の思いは
ロシアによるウクライナ侵攻が始まってから24日で3年です。
停戦することを公約に当選したアメリカのトランプ大統領の言動に世界が翻弄される中、宮崎県内で暮らす避難民に今の思いを聞きました。
ウクライナ出身のスリパチュク・ラダさん(29歳)。
約20年間、宮崎市で暮らす親戚のヴィクトリア・シヴィデンコさんを頼り、2022年8月、宮崎市に避難してきました。
(ウクライナから避難 スリパチュク・ラダさん)
「3年が経つのに、心の痛みはずっと続いている」
戦闘が長期化する中、ラダさんは一昨年8月に一時帰国し、日用品などの物資を届けました。
そこで目にしたのは、孤児院に身を寄せる子供たちの姿。
ユニセフの調査によると、侵攻が始まってから今月21日までにウクライナでは2520人以上の子供が死傷。
子供たちの5人に1人が近親者や友人を失ったとされています。
ラダさんは、戦争の陰で子供たちが犠牲になり続けている現状に心を痛めています。
(ウクライナから避難 スリパチュク・ラダさん)
「幼稚園や保育園にもミサイルを撃たれる。私たちはそれを止めたいけど、こうして話すことしかできない。私が住んでいたマンションの前にある幼稚園にもミサイルが落ちて、幼稚園がなくなり、私の家も破壊された」
画家のヴィクトル・シヴィデンコさん(74歳)、宮崎での避難生活も3年を迎えようとしています。
(ウクライナから避難 ヴィクトル・シヴィデンコさん)
「彼ら(各国の大統領)がすべてを決めることにどうしても納得できないが仕方ない」
1月に就任したアメリカのトランプ大統領は、ウクライナの頭越しにロシアとの停戦交渉に乗り出しました。
ヴィクトルさんは一連の動きに難色を示す一方、「ゼレンスキー大統領では戦争を終わらせることができない」と指摘。
停戦の実現のためにはアメリカの介入もやむを得ないと考えています。
(ウクライナから避難 ヴィクトル・シヴィデンコさん)
「どんな形でも戦争を終わらせて、これ以上人が死ななくていいようにしてほしい」
ウクライナからの避難民を受け入れてきたヴィクトリアさんは「ウクライナの自由と独立を守ることが重要」としながらも、戦争を終わらせるためには各国の協力が必要だと話します。
(避難を受け入れ ヴィクトリア・シヴィデンコさん)
「この戦争は終わりが見えないことが一番つらい。そこだけ。早く終わって、残っている人たちをもう戦争に連れて行かないでほしいです」
ロシアによるウクライナ侵攻が始まって3年。
長引く戦闘で多くの命が失われている現状と大国間で進む停戦交渉の間で、避難民の心は揺れています。