“達人”に聞く──家事・育児の「当たり前」を変える3選! 献立や洗濯物も…手間と時間を削る秘策 子供が動く工夫も『every.特集』
桐谷美玲キャスターと森圭介アナウンサーが、「2人合わせてキリモリです!」と声を合わせました。「切り盛り」は、食べ物を切り分けて盛ること以外に、「物事をうまく処理する」「家計や店の経営をうまくさばくこと」を意味します。
コスパやタイパの良さが叫ばれています。3歳の息子を育てる桐谷、2児の父である森の両キャスターは家庭と仕事で多忙。そんなコンビがお届けする「キリモリっ!」は、撮影は全てスマートフォンというほどコスパ重視のコーナーです。
2人は今回、家事に関するキリモリ術を学びました。斬新な家事削減術から、言うことを聞かない子供が動き出す驚きの方法までお届けします。
取材で訪ねた先は、3児の母で、『主婦業9割削減宣言』の著者でもある家事削減の達人・けーりんさん。元々、営業の仕事をしながら家事・育児をしていました。
けーりんさん
「家事・仕事・育児って、本当に膨大じゃないですか。それに困った時に主婦業をやめていく選択肢もあるのかな、と考え直してみました」
コロナ禍で家事が回らなくなったのをきっかけに、大好きな仕事を続けるため家事の削減を選択しました。
そこで生まれた時間を仕事や家族とのコミュニケーションに充て、今では女性のためのオンラインサロンを主催する経営者として活躍しています。
けーりんさん
「人生って時間の使い方をどうするかで決まってくるじゃないですか。人生=時間なんで。何に時間を充てたら自分たち家族が幸せになれるのかを、家族全体で考える。『当たり前に思ってること、それは当たり前なの?』と考え直したのがきっかけです」
森キャスター
「家事を9割削減するって、イメージが僕浮かばないんですけど…」
桐谷キャスター
「ちょっと意味が分からないです…」
けーりんさん
「そもそもやっている家事、必要なのか?というところから考える必要があると思うんですけれども…」
「そもそも必要なのかって、ねえ…」と言う森キャスターに、桐谷キャスターは「必要だからやっているんだと思ってるんですけど…」とまだ納得のいかない様子。けーりんさんいわく、大切なのは当たり前に必要と思っていた家事の見直しです。
何をまず行うべきなのでしょうか。けーりんさんは、「やめたいことを可視化する、『家事やめたいことリスト』を作るところから始めたんですよ」と明かします。漠然と負担に感じていることを書き出して、頭の中を整理するのだとか。
キャスターの2人も書き出しました。桐谷キャスターは「毎日献立を考えること」「食器を洗ったりしまったりすること」など。一方、森キャスターには洗濯物や子どもの叱り方など、桐谷キャスターと同じ悩みもありました。
森キャスター
「これ減らせます?」
けーりんさん
「減らせます。考え方のコツがあるので」
まずは、桐谷キャスターが挙げた「食器洗いの削減」のコツから見ていきます。
一般的には洗う、拭く、棚に戻すという手間の多い食器洗い。「これ以上のやり方はないです!」と訴える桐谷キャスターに、けーりんさんは「全部そのお皿を使った方がよかったのか? から考えた方がいいですね」とアドバイスします。
家事の当たり前を変える1つ目のポイントは、そもそも使う食器を減らすことです。
けーりんさん
「日本って小鉢文化があるから皿の数が多いと思うんですよね。私は1軍を決めて、それしか使わない」
頻繁に使う食器を1軍として、それ以外は使わないのがけーりんさん流です。大皿やワンプレートなどを駆使して食器の数を減らすことで、洗う手間と時間を格段に削減できるといいます。けーりんさんは5人家族ですが、数えるほどの食器は事足りるといいます。
けーりんさんが「とにかく選択肢を減らすと楽になるんです」と言うと、両キャスターは深く頷きました。
けーりんさんの家では、朝食がパンの場合、お皿を使いません。「キッチンペーパーにのせて出せば、捨てるだけでいいじゃないですか」。「斬新ですね!」と森キャスター。
けーりんさん
「本当にそれ必要なのかな?と思うと、減らしていくと、仕事が減ります」
お皿の上にラップやペーパーをのせるだけでも節水につながり、朝の片付け時間も削減できます。
続いて桐谷キャスターを悩ませる、毎日の献立です。
けーりんさん
「4〜5品いろんな食べ物作っても、子供全然食べなかったんですよ」
桐谷キャスター
「分かります。うちもうどん。具はいらないっていう…」
森キャスター
「一生懸命作ってね、子供が食べなかった時の…」
桐谷キャスター
「んー!ってなる」
けーりんさん
「自分の手間と家族の反応は本当に比例しない」
桐谷キャスター
「はい!」
森キャスター
「掛け軸にして飾りたい!」
家事の当たり前を変える2つ目のポイント。献立はこだわり過ぎず、旬のものを出すのがよいとのこと。
「旬のものを塩で味付けするのにほぼ決める」とけーりんさん。森キャスターは「そこまで行きます?」と驚きます。
けーりんさん
「なるべく手をかけないようにしてみようと思って、例えばトウモロコシもそのまま出す、野菜もそのまま出すとかにしたら、そっちの方が子供に好評だったんですよね」
森キャスター
「子供喜びそうだなー」
けーりんさん
「あと、パーティーって名前を付けると基本子供は大喜びするんですよ。おにぎりパーティーを開催すると、子供たちは普段作ってる料理よりも喜んで食べる」
パーティーと銘打ち、子供達に自分で作らせることで、楽しみながらしっかりご飯も食べるようになるんだそう。
続いて、キャスターの2人に共通する悩み。子供を叱ってしまうことです。
桐谷キャスター
「ついつい、子供に『早くして!』と言ってしまうのをやめたいんですよね」
朝の忙しい時や片付けさせたい時、子供がなかなか動かず、イライラしてしまうことありますよね。そんな時、3人のお子さんを持つけーりんさんは、「天国と地獄」の曲を流します。
桐谷キャスター
「これ、運動会でよく流れる音楽ですよね」
けーりんさん
「無意識に急ぐんです!」
本当に効果はあるのか、3人の娘さんがいるご家庭で実験しました。
お片付け中、母親から「使ってないのいっぱいあるから片付けて」と声がかかっても、娘さんは無言。「使ってないおもちゃ片付けてください」「お片付けは?」と促しても、全く言うことを聞きません。「後で戻す!」と言ったきりです。
ところが「天国と地獄」を流し、母親が「お片付けしよう」と声をかけると、急に動き出しました。無理にやらせようとするより、自らやる気にさせる発想が大事なんだとか。娘さんは「キレイになったね!」「音楽が流れてたから、楽しかった」と話しました。
けーりんさん
「やってみると、『早くして』っていう言葉が減ると思います」
桐谷キャスター
「これ、すぐ取り入れたいですね」
次にキャスターの2人がともに挙げていた、洗濯物に関する悩み。この手間ひまを削減するポイントについて、けーりんさんは「動かずに、脱衣所の中で完結するように私はしています。1軍選手(よく着る服)を脱衣所に置くと決めています」
森キャスターが「洋服タンスじゃなくて?」と念押しすると、けーりんさんは「洗濯機の近くです」。
乾燥機のあるお宅であれば、よく着る服は乾燥機のすぐそばに収納することで、運ぶ行き来が減らせるといいます。さらにそのスペースについて、けーりんさんはこう助言します。
「本当にここが洗剤置き場だった方がいいのかを1回考えて、使う頻度の高い物を収納場所に変えていく。そうするとだいぶ時間が減る」。簡単な畳み具合であれば、4分ほどで5人分が終わるそうです。
乾燥機がない場合、簡単に乾くものはハンガーラックと除湿器を使い、乾いたらそこから使えば、畳む時間を削減できるといいます。
けーりんさんは、服選びにも持論があるそうです。「選ぶものを減らす観点で、服は黄色しか買わないんです」。服で悩む時間をなくすため、クローゼットは黄色一色です。
けーりんさん
「これをやったことによって人生の時間がめちゃくちゃ生まれたんですよ。黄色の服が置いてなかったら、まずお店にも入らないです」
森キャスター
「その意見についてはどうですか?」
桐谷キャスター
「無理です!」
(4月3日『news every.』より)