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【解説】「クリスマス寒波」大雪に警戒 室内温度を改善する方法

2022年12月22日 20:35
【解説】「クリスマス寒波」大雪に警戒 室内温度を改善する方法

24日はクリスマスイブですが、22日夜から再び日本列島に強烈な寒波が流れ込む見込みです。長期間、大雪や猛吹雪が続くおそれがあり、クリスマスの過ごし方にも注意が必要です。

●外出時の注意
●年末年始 厳しい寒さ
●室温を保つには…

以上の3つのポイントについて、詳しく解説します。

■クリスマスにかけて大雪か 警戒呼びかけ

22日夕方から26日ごろにかけて北日本から西日本の日本海側を中心に大雪になるおそれがあるとして、国土交通省と気象庁は21日、「大雪の場合は不要不急の外出を控えて」と緊急の呼びかけをしました。

22日から週末のクリスマスも含めて、しばらく警戒が必要な状況です。そして日本海側はもちろん、四国・九州でも警報級の大雪になるおそれがあります。

新潟では17日からの大雪で、車の立ち往生が発生しました。長岡市の住民は「やっとガソリンや宅配便が届くようになったのに、また大雪が降ると困る」と話しました。

■大雪で車が立ち往生 対策は?

新潟では、大雪の影響で犠牲者が出ました。20日、柏崎市の女性(27)が自宅前に止めた軽自動車の中で暖をとっていましたが、一酸化炭素中毒で死亡しました。警察によると、車のマフラーが雪で埋まっていたとみられています。

車の排ガスの中には、人体に有毒な「一酸化炭素」が含まれています。マフラーが雪でふさがれると、排ガスが車内に充満してしまいます。

JAF(日本自動車連盟)は、車のエンジンを動かした状態で、マフラー周辺を雪でふさぐ実験を行いました。すると排気ガスの動きを示した黄色い煙が、車の下にたまっていきました。その後、車の中にも充満してしまいました。実験ではあえて排気ガスに色をつけていますが、本来一酸化炭素は無色・無臭のため、発生に気づかないことが多いということです。

こうした事故を防ぐためには、どうすればいいのでしょうか。立ち往生した場合など、「前に進もう」と前方の除雪を優先しがちかもしれませんが、まずは排ガスの出口をちゃんと確認して、ふさがっていないかどうかを見ることが大切です。

もし除雪が難しいような場合は、エンジンをこまめに切るなどの工夫をした方がよさそうです。いざという時にのために、冬場は「除雪用スコップ」「防寒着」「毛布」「食料」などをあらかじめ車内に用意しておくことが大切になってきます。

■大規模停電 どのように備える?

さらに備えが必要なのは、停電です。今週の大雪で大規模な停電が発生し、新潟県内では約5300戸が停電しています。(22日午後3時時点)

防災科学技術研究所・雪氷防災研究センターの中村センター長は「この後も湿った雪になる見込みで、さらに停電が起きる可能性がある」として、早めの備えを呼びかけています。

湿った雪はくっつきやすく重たいため、電線が切れたり、樹木が倒れて、電線が絡まったりして、停電が発生しやすくなります。停電に備えて、「暖をとるための暖かい服装」「毛布」「カイロ」「非常食」「カセットコンロ」「懐中電灯・電池」などもあらかじめ用意しておくといいです。

■室内温度を改善するには「窓の断熱性能を上げる」

気になる各地の年末の天気予報です。秋田や新潟、松江など日本海側では、23日から24日にかけて、特に雪や風が強まる予想です。東京は晴れが多くなり、クリスマスイブの24日は東京の最低気温は0℃の予想です。かなり冷え込みが強まって、真冬の寒さとなるでしょう。

ここまで寒くなると、外出時だけではなく、室内温度にも注意が必要になってきます。みなさんの家ではエアコン・暖房器具をつけていても、「寒い」と感じたことはありますか。快適な室温を保つために、気をつけた方がいいということがあります。

一般社団法人日本建材・住宅設備産業協会によると、冬に暖房をつけている時、室内の熱が逃げていく割合は「開口部」、つまり「窓など」からが全体の58%を占めています。「外壁・換気」15%、「床」7%、「屋根」5%と続きます。

とにかく窓から暖気を逃がさないようにすることが、とても大切です。そのためにも、窓を「ペアガラス(二重窓)」、「断熱サッシ」に交換することが最も効果的です。ただ今週末にかけて簡易的に断熱したい場合は、窓に「断熱シート」「アクリル板」を入れるなどの方法もあります。

また暖房をつけていても、窓の側に寄ると、ヒンヤリした冷気を感じることがあります。これは「コールド・ドラフト」(冷輻射)と呼ばれる現象で、窓を通して、外気の冷たさが室内に伝えられているからです。カーテンやブラインドなどを使えば、冷輻射をある程度抑えることはできますが、根本から改善するには「窓の断熱性能を上げることが一番だ」ということです。

     ◇

寒波の中で、クリスマスを迎えることになりそうです。大雪が予想される地域では、なるべく出かけずにおうちで過ごすなど、地域にあったやり方で、寒さに負けず楽しいクリスマスを過ごしてください。

(2022年12月22日午後4時半ごろ放送 news every. 「知りたいッ!」より)