神奈川の海岸に“海の危険生物”カツオノエボシが大量漂着
これから海水浴に出掛ける人も増える季節になっていきます。しかし、神奈川県の海岸には、例年よりも早く“危険生物”が出現しているといいます。
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6月29日に相模湾一帯で大量に見つかった物体。青く透き通り、一見、美しくも見えますが、猛毒を持つ“海の危険生物”「カツオノエボシ」です。
かながわ海岸美化財団 柱本健司さん
「カツオノエボシといわれている猛毒のクラゲが大量に打ち上がっています。非常に危険な生物です」
クラゲの仲間で、細長い糸のような“触手”に毒針を持ち、刺されたときのビリッとした痛みから、「電気クラゲ」とも呼ばれています。
新江ノ島水族館・クラゲ担当 足立文さん
「(刺されると)赤く腫れてミミズ腫れになったりとか、海で刺された場合にショック症状が起きてしまったりだとか、痛みのショックで溺れかけてしまうとか」
専門家によりますと、何度も刺された場合、アナフィラキシーショックで呼吸困難に陥るケースもあるといいます。
しかし、浜辺にいた人は…
「めっちゃキレイです。全然クラゲって分かんないと思います」
そのカツオノエボシが29日、藤沢市のお隣、茅ヶ崎市で何匹も確認されました。
地元漁師
「みんな結構刺されているんだよね、小さいんだけど。結構、救急車とか呼ばれている方いるよね」
しかも今年は…
地元漁師
「早いですね、1か月早いですよ」
例年であれば、8月頃に打ち上げられるといいますが、今年は“異例の早さ”で確認されていました。
なぜ、この時期にカツオノエボシが打ち上げられたのでしょうか?複数の専門家によりますと、ポイントは「南風」だといいます。
普段は、南の海をただよっているというカツオノエボシ。今年の6月は、海から陸方向へ吹く南風が、例年よりも長時間、同じ方向に吹き続けたため、カツオノエボシが海岸沿いに流されたのではないかとみています。
この事態に、地元で海の清掃活動をする団体は、「危険!カツオノエボシが大量に漂着しています」とSNSで注意喚起しています。その理由は、7月1日以降、湘南エリアの海岸で続々と控える“海開き”です。
カツオノエボシが海岸に打ち上げられ続けた場合、海水浴客の安全にも関わります。
かながわ海岸美化財団 柱本健司さん
「まずは触らないのが一番。海の危険なもの、注意しなきゃいけないものを知った上で、今年の夏を楽しんでいただけたら」
専門家によりますと、カツオノエボシに刺されたら、すぐに病院に行き処置を受けてほしいということです。