「注文に時間がかかるカフェ」 吃音の若者たちが自分なりの言葉で接客
都内で1日限定でオープンした「注文に時間がかかるカフェ」。4人のスタッフは全員、話し言葉がなめらかに出ない「吃音(きつおん)」の症状がある若者たちです。
カフェで接客したスタッフのひとり・広島県の周崎(すさき)康貴さんは幼い頃から吃音の症状があり、上手く言葉が出ずに間が空いてしまう「難発」がみられます。そのため、飲食店で注文する時はメニューの名前が言いづらく、友人に注文してもらうことも。
そんな周崎さんの夢は「吃音を気にせずに働ける店を作る」こと。その夢を実現するため、現在は実家が経営する焼き肉店で働き、キッチンの仕事を担当。今回「注文に時間がかかるカフェ」に参加したのは、自ら接客を体験し夢につなげるためです。
カフェの発起人は奥村安莉沙さん。自身もカフェで働くことに憧れていましたが吃音があり叶わず、同じ立場の学生たちから接客に挑戦したいという声を受けて「注文に時間がかかるカフェ」を企画したのです。カフェのコンセプトは、接客を体験して自信をつけてもらうこと、そして、吃音を知らない人には交流して理解してもらうこと。
オープン当日。吃音の当事者や近所の住民が客として訪れました。周崎さんは、吃音がある人との接し方を案内する受付を担当。ガイドラインに沿って説明しますが、決められたセリフはないため自分の言いやすい言葉で伝え、言いづらい言葉は文字を書いて対応します。
周崎さんは今回、吃音をテーマにしたカラーコーヒーも考案。カラフルなホイップクリームなどで多様性と個性を表現し、その想いを自分なりの言葉でお客さんに伝えます。客として訪れた吃音当事者の小学生の男の子は、同じ吃音のスタッフと交流して「僕だけでなはいと応援になりました」とメッセージを残しました。
周崎さんの次の目標は、「注文に時間がかかるカフェ」を地元・広島で開催することです。
※詳しくは動画をご覧ください。(2022年4月6日放送「news every.」より)