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6月29日は「佃煮の日」“ご飯のお供”売り上げ増加 小麦高騰で“お米”再注目され…

2022年6月29日 19:57
6月29日は「佃煮の日」“ご飯のお供”売り上げ増加 小麦高騰で“お米”再注目され…

小麦の高騰でお米が再注目される中、今 “ご飯のお供”も売り上げを伸ばしているといいます。中でも佃煮は、若いファミリー層に人気が広がっていて、味付けやパッケージにも変化が見られています。

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食欲をそそる炊きたての白米。1杯のご飯にどんな“お供”を添えるかは、ぜいたくな悩みでもあり、日本に生まれた幸せでもあります。

250種類もの“ご飯のお供”を扱う東京・新宿区の「AKOMEYA TOKYO in la kagu」。

「ご飯のお供系がいっぱいあっておいしそうだなと思って」

「迷っちゃいます」

売れ筋は、これがご飯に合わないはずがない、かつお節としょうゆ味の和風の胡麻ふりかけ(ごま和え胡麻 ボトル 1404円)に、炊きたてのご飯にのせると、しっとり脂が溶けだす鹿児島の黒豚チャーシュー(黒豚チャーシュー 魔法の肉かけ 1296円)です。

コロナ禍の“巣ごもり需要”で、もともと人気の“ご飯のお供”ですが、小麦粉の価格高騰が続く中、主食の「お米」が再注目され、“ご飯のお供”にもこだわる人が増えています。

AKOMEYA TOKYO 高木絵里奈さん
「ご飯のお供カテゴリーの売り上げは1.5倍ほどに」

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江戸時代から続く伝統の“ご飯のお供”は、しょうがやしょうゆ、砂糖などで甘辛く煮つけた、東京・佃島が発祥とされる「佃煮」です。
高齢の人に愛されているイメージがありますが、味付けに加え、パッケージも若い人に受けるよう工夫。

つくしん 小林良裕さん
「若い方含めてしょうがとか好きな人が多いので、増やすようにしています。その方たち(若い方)のお客さんが増えたかなと」

近くのタワーマンションに住む、30代40代のファミリー層の購入が増え、同世代に佃煮のおいしさが口コミで広がっているといいます。

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そんな「佃煮」を日本全体に広めようと、6月29日午前に“全力”で佃煮をご飯とともに食べる動画がYou Tubeに配信されました。

サングラス姿の男性の正体は、「水産庁の“佃煮エージェントK”です」。“佃煮エージェントK”の「K」は名字の頭文字、現役の水産庁職員、北岡雅紀さん(31)です。

実は6月29日は「佃煮の日です」。

佃島の守り神である神社が建立されたのが6月29日、さらに「29」という数字の語呂合わせで「佃煮の日」。(諸説あります)

それに合わせ、動画を配信し、普段からモズクや小鮎などオススメの「佃煮」を紹介。その大きな“使命”は、日本の「魚離れ」を食い止めることです。

「佃煮エージェントK」こと水産庁職員 北岡雅紀さん(31)
「みなさんの食卓に魚が並ぶというのを目指してやっているので、ご飯にのせてガーッと食べていただければと思います」

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“日本一”の梅の産地、和歌山県。梅干しの消費量の減少傾向が続く中、収穫作業も重労働のため、農家の後継者不足が深刻になっています。この現状を打破しようと立ち上がったのが、自らも梅農家をしている28歳の山本さんが率いる「梅ボーイズ」です。

“ボーイズ”と言っても女性を含むメンバー7人で、地元の名産「南高梅」の魅力をSNSや動画で配信しています。

さらに、スーパーなどでは甘い梅干しが主流となる中、あえて塩とシソだけで漬けたすっぱい梅干しを販売。“ご飯のお供”に抜群に合うと評判になり、全国から注文が相次いでいるといいます。

梅ボーイズ・リーダー 山本将志郎さん(28)
「梅農家自身が『和歌山の梅干し最高』と言えるような梅干しを残していきたいと思います」

1粒のご飯のお供をきっかけに、梅農家を受け継ぐ仲間を増やしたいと意気込んでいます。