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【密着】家ではドタバタ!? 大人気の女性講談師“一龍斎貞鏡” 4人の子育てと伝統つなぐ思い『every.特集』

2023年10月7日 19:30
【密着】家ではドタバタ!? 大人気の女性講談師“一龍斎貞鏡” 4人の子育てと伝統つなぐ思い『every.特集』

かつては男性が多かった「講談」の世界。今では女性が増え、講談師の半数以上が女性である。中でも一龍斎 貞鏡(いちりゅうさい ていきょう)さんは、独演会も長蛇の列。さらに若い女性客の多さが目立ち、異彩を放つ女性講談師だ。去年は文化庁芸術祭賞で新人賞を受賞。さらに今月は真打ちに昇進とその実力は折り紙付きである。

講談は会話調でオチに向けて話す落語と違い、ストーリーテラーとなってリズミカルに物語を聞かせる話芸。貞鏡さんの人気の秘密は、講談への新たなアプローチ。若い世代を取り込む努力を続けている。名曲誕生の由来をピアノを弾きながら講談したり、講師となって学生に向けに講談の魅力を伝えたりと、様々な工夫をしている。多くの人に講談の面白さを知ってほしいという思いからだ。

貞鏡さんは「日本に伝わる伝統話芸が 楽しいんだよってことを知ってもらいたいんです」と語る。

祖父は7代目一龍斎 貞山(いちりゅうさい ていざん)、父は8代目と講談師の名跡を継いできた。20歳の時、初めて父の講談を聴き、一瞬で心を掴まれプロを志したという。2年前にはその父も他界。貞鏡さんは自分の道は自分で切り拓こうと覚悟を決め、この道を進んできた。

家に帰ると4人の子どもを育てる日々が待っている。夕食前は、まさに怒濤の時間だ。子どもたちはいつでも元気いっぱいで貞鏡さんを振り回す。今年5月に生まれたばかりの末っ子を背負って台所で夕食作り。忙しくてもなるべく手料理を作ることにしている。取材に訪れた日の夕食は、子どもたちのリクエストのオムライスだ。

僧侶で夫の将玄(しょうげん)さんは「家族モードの時は、心ゆくまで癒やされて楽しんでもらい、講談師モードになれば全力で行ってきてと言える環境作りをしたい」と二人三脚で子育てをしている。

売れっ子講談師と母の顔を両立させるパワーはどこから生まれるのか聞いてみると、「大好きな家族のため、大好きな講談のために両方とも大事にしたい。どっちも大好きだからできる」と答えが返ってきた。

そんな貞鏡さん、この夏、新たな取り組みを始めた。子どもたちが楽しめる「怪談」の講談を自ら企画したのだ。場所は四谷怪談で有名な新宿の左門町にあるお寺である。子どもには難しい講談を、いかに分かりやすく面白く聞いてもらうかが課題だ。貞鏡さんは我が子たちの反応を見ながら試行錯誤を繰り返す。そしてある「仕掛け」を思いつく。

果たして子どもたちの心をつかむ講談はできるのだろうか。夏の夜の挑戦が始まった。

※詳しくは動画をご覧ください。(2023年10月4日放送「news every.」より)