「マイナ保険証」使ってる?全人口の約6割が“登録済み”でも、利用率は低調...切り替えなかったらどうなるの?
来月で発行が終了となる「健康保険証」。その代わりとなるのが、「マイナ保険証」です。まもなく本格運用となるマイナ保険証。私たちはどう付き合えばよいのでしょうか?
12月2日以降、新たに発行されなくなる“健康保険証”。その代わりとなるのが、マイナンバーカードと健康保険証が一体化した「マイナ保険証」です。厚生労働省によると、今年9月時点で、マイナ保険証を「持っている人」は約61%。
しかし、実際に病院で、使われているかというと大きな隔たりがあるようです。
愛知県豊田市にある『すくすくこどもクリニック』。受付には、マイナ保険証の読み取り機が設置されています。しかし取材中、20人ほどが診察を受けていましたが、その内、マイナ保険証を使った人は“0人”。みなさん、従来の保険証を提示していました。
来院した人からは、「(マイナ保険証を)持ってるんですけど、個人情報の流出がやっぱり怖いですね。4桁の暗証番号はあるとはいえ、ちょっと使いにくいですね」、「使っている方を見たことないので、面倒くさいのかなって。薬手帳もアプリであるとなると、別にいらないかなって思っちゃって」など声が。
去年3月から、読み取り機を置き、マイナ保険証に対応しているこちらのクリニック。その当時から、利用者は増えていません。『すくすくこどもクリニック』神谷裕文院長は、「(マイナ保険証を使っている人は)あまりいないですね、正直なこと言うと。一日1人いればいい方だと思います」と答えます。
読み取り機にマイナンバーカードをかざし、顔認証をすることで使えるマイナ保険証。この顔認証が、利用が広がらない背景の一つとみられます。
受付スタッフ曰く、「患者さんがすごく具合が悪くて、お子さんなんですけど。ぐったりしているところに、顔認証するのが大変だった」ということも。
顔認証以外には、暗証番号を入力する方法もありますが、登録時の番号を忘れている人が多いといいます。
厚生労働省によると、全国の医療機関で今年9月、マイナ保険証を利用した人は、わずか13.87%。利用率は上昇傾向ですが、まだまだ浸透していないのが実情のよう。
『すくすくこどもクリニック』の神谷院長は、「個人的には今までで全然困ってないので、それ(従来の保険証)でいいんですけど」と、マイナ保険証について話しました。
“持っていない”理由は多種多様
医療機関にも戸惑いが見られるマイナ保険証。街の人はどう思っているのでしょうか?
まずは、マイナ保険証を「使っている人」の意見から。50代女性は、「クリニックと薬局の両方で何か月も前から使っている。記録が残るのがいいなと思う」と回答。30代女性は、「最近使っているんですけれど、子どもたちのものに。顔認証はまだできなさそうなので、暗証番号を私が打って入れています」と答えました。
使っている人もいる一方、多かったのは、「まだ使っていない」、「持っていない」という人。
「持っているが使っていない」という60代男性は、「デメリットの方が多い。落としたら全部ひも付いてるでしょ?落としたときに全部申請が大変でしょ?」と回答。
また、「持っていない」という人からもさまざまな理由が寄せられ、10代男性からは「現行の保険証が使えるので、まだそれでいいかなと思う」、20代女性からは「(カードが)顔付きなのが恥ずかしい」、70代女性からは「マイナンバーカードは持っているが (保険証とはひも付けていない)。手続きをやろうと思ったけれど、年寄りになるとスマホ触れないの怖くて」など声が集まりました。
便利な面も兼ね備えている「マイナ保険証」。過去のさまざまな病院でのデータ、薬などのデータが一括化されているほか、救急時にも過去の治療などもすべて集約されているので、スムーズによりよい医療を受けることができます。
また緊急の入院時、これまで申請が必要だった「高額療養費制度」をすぐ使えることができます。
では、「マイナ免許証」を登録しないと、今後どうなっていくのでしょうか?
健康保険証は使えなくなりますが、マイナ保険証の登録有無関わらず、「資格確認書」というものをもらうことができ、この「資格確認書」が、現行の保険証と同じような役割を担うものとなります。
来年3月には、「マイナ免許証」もスタート。自身の状況に合わせて、情報収集をしていくことが大切です。