“秋の味覚”が高騰 天候不良で鹿児島産“サツマイモ”に中国産“マツタケ”も…
秋の味覚、サツマイモですが、生産量日本一の鹿児島県で、天候不良による“サツマイモ基腐病”の発生で生産量が落ち込んでいます。また、中国ではマツタケが高騰していて、日本の食卓にも影響がでそうです。
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あつあつ、ほくほくか、それともねっとりか。9月1日、都内のサツマイモ専門店「oimo lab.」には、続々とお客さんが訪れていました。
サツマイモは特に産地にこだわり、生産量日本一の鹿児島県産や茨城県産を使っているといいます。しかし…
oimo lab. 原智規さん
「仕入れ値がちょっと上がっている状況ですので」
仕入れ値が1.5倍ほどに上がっているといいます。入荷するサツマイモの量が減少したためだといいます。その大きな理由が…
oimo lab. 原智規さん
「鹿児島県産の農家の方が不作で仕入れができない状況」
一大産地の鹿児島県で何が起きているのか。その答えは畑にありました。
古川農園 古川和敏代表
「これ腐っているんですよ、もう。腐敗しているんですね」
本来、真っ白であるはずの実は黒く変色し、スカスカになっていました。
古川農園 古川和敏代表
「(畑の)3割以上かな、もうこういうふうになっている。基腐れですね」
“サツマイモ基腐病”が広がっているといいます。
サツマイモ基腐病とは、カビの一種が原因で感染し、葉っぱや茎が枯れ、実が腐ってしてしまう病害です。2018年に沖縄や鹿児島で初めて確認されたあと全国へ拡大し、わずか4年で27都道県で被害が確認されています。
サツマイモの収穫時期である8月後半から10月にかけて発生するというサツマイモ基腐病。なぜ発生したのでしょうか。
古川農園 古川和敏代表
「長雨で一気に症状が進んでいくことが考えられる」
鹿児島県は、8月の1か月間で多いところだと200ミリほどの雨が降りました。その影響で基腐病の胞子が広がり、発生したとみられています。そのため、収穫を前倒しにしたといいます。
古川農園 古川和敏代表
「今年は病気が広がる前にどんどん収穫して」
やむを得ずサイズが小さいまま出荷していて、今年の収穫量に不安を感じていました。
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影響は芋焼酎を造る大手酒造会社にも及んでいます。
霧島酒造・企画室PR課 章性民さん
「サツマイモの基腐病が鹿児島・ 宮崎ではやっておりまして、原料として使用しているサツマイモに関しては、収穫量は少なくなっている」
使用するサツマイモは九州産のみにこだわっているといいます。しかし、この欠かせない原料が不足し価格が高騰。9月1日から霧島酒造のすべての芋焼酎が値上げになりました。主力の黒霧島や白霧島、そして赤霧島、茜霧島はそれぞれ最大154円値上げします。(黒霧島・白霧島(紙パック)1800ml(25度)1876円→2030円 赤霧島・茜霧島(紙パック)1800ml(25度)2431円→2585円)
価格の改定は2007年以来15年ぶりのことだといいます。
サツマイモ高騰の影響が広がっています。
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秋の味覚の高騰は海を越え、中国でも起きていました。
中国・北京の市場で売られていたのは“秋の味覚の王様”マツタケです。しかし、仕入れ値が高騰し、値段が倍になっていました。
店主
「このマツタケは50グラムで80元」
Q.以前はいくらだった?
店主
「以前は(同じ量で)40元」
この中国産のマツタケは、実は東京の市場で流通するマツタケの半数ほどを占めていて、例年だと国産の3割から4割ほどの値段で取引されています。なぜ値上がりしているのでしょうか。
中国の最大産地、雲南省の人に話を聞くと…
雲南省マツタケ協会 湯希金会長
「主な原因はやっぱり天気だ。今年は天気がずっと乾燥して、雨が降らず暑かったから成長しなかった」
猛暑で雨が降らず、例年より降水量が減ったためだといいます。
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相次ぐ秋の味覚の高騰。今年の食欲の秋は、いつもよりお金がかかりそうです。