美少女戦士セーラームーン、ベルサイユのばらも 奥が深いマンホールの世界
『美少女戦士セーラームーン』など、近年、人気漫画をデザインしたマンホールが盛り上がりを見せています。そんなマンホール事情を取材してみると、意外な楽しみ方があることがわかりました。
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訪ねたのは千葉県八千代市。下水道課の窓口にやってきたのは、子どもを連れたお父さん。
父
「マンホールカードもらえますか?」
訪れた人々が受け取っていたのは、合格祈願と書かれた封筒と、マンホールがデザインされた「マンホールカード」。実はこれ…
八千代市上下水道局 下水道課 林和樹さん
「マンホールは滑らないという特徴がありますので、合格祈願に繋げております」
マンホールは、滑りにくくするために凹凸があるので“滑らない”。形も丸いので合格の◯。蓋なので“落ちない”という特徴があります。
八千代市では、そんなマンホールで受験生を応援する取り組みを行っています。
実は今、こうした取り組みは様々な自治体で実施されていて、八千代市では去年12月から配布し、1月26日の時点でおよそ300人が受け取りに来たといいます。
中学受験をする娘の母親
「娘が中学受験で。とにかく私はすがるしかない」
中学受験に挑む小学6年生の娘さんへマンホールカードのお守りを渡すと…
娘
「何これ!」
母
「マンホールって、丸でしょ?合格の丸」
思わぬプレゼントにうれしそうでした。
合格祈願だけではないんです。今、ある目的でマンホールに力を入れる自治体が増えていると言います。
米澤かおりキャスター
「美少女戦士が並んでいますよ!かわいい」
こちらは、東京・港区が去年設置した『美少女戦士セーラームーン』のマンホール。
米澤かおりキャスター
「月野うさぎちゃんになりたい幼少期でした」
商店街の入り口に設置したのにはあるワケが…
港区 観光政策担当課長 寺戸尚美さん
「このマンホールを巡ることによって、区内の商店街などあちこちに周遊してもらうことを狙っています」
実は、作品の舞台が港区ということで、ゆかりのある5か所にデザインの異なるマンホールを設置。マンホールを発見しながら街を観光してもらう狙いです。私もつい写真を撮りまくりました。
日によっては、写真を撮る列ができるほどの人気ぶりだそうです。さらに区の施設では、訪れた記念にとマンホールカードを配布。
米澤かおりキャスター
「かわいい!」
こちらのカード、配布初日にはなんと3000人が詰めかけたそうです。反響を受け、港区観光協会では去年12月からマンホールのグッズ販売をスタート。なかには、完売した商品もありました。
他にも、千葉県柏市には、『ベルサイユのばら』のマンホールが!漫画の連載当時、作者の池田理代子さんが柏市に住んでいたことがきっかけだそうです。
写真を撮った人
「マンホール好きの友達もいるので、その友達にも写真を送る」
「伊香保(温泉)で頭文字[イニシャル]Dのマンホールにテンション上がっていた」
なぜ、マンホールに人はひきつけられるのか?そのワケを知りに訪ねたのはご当地マンホールのグッズ専門店。
マンホールの製造会社に勤めた経験があり、このお店をプロデュースした山田秀人さんによると…
ニシムラ精密地形模型 山田秀人さん
「マンホールって60センチの丸の中に(滑りにくくするために)まんべんなく線を描かないとといけない。詰め込んだデザインになるのでアートとしての魅力、日本の文化にするぐらいのポテンシャルがマンホールにはある」
そんな山田さんが“お気に入り”だというマンホールが渋谷に。
ニシムラ精密地形模型 山田秀人さん
「これです。渋谷のスクランブル交差点を表現。人がいっぱいいる。で、こちら側から見ると、何か隠れています」
米澤かおりキャスター
「あ、ほんとだ!犬だ!」
山田秀人さん
「はい!ここで問題です!変わった犬が2匹だけいます。忠犬ハチ公。ということは飼い犬」
米澤かおりキャスター
「あぁこれ!首輪だ」
こうしたマンホール職人の遊び心も見どころの一つだそうです。
米澤かおりキャスター
「いやぁこんなに奥が深いとは」
山田秀人さん
「かわいいですよね」
米澤かおりキャスター
「かわいいです」
(2月20日放送『Oha!4 NEWS LIVE』より)