【解説】女性に多い「冬季うつ」チェックリスト 私たちができる予防法とは?
19日朝、家を出て、「寒っ」と思った人も多かったのではないでしょうか。寒暖差もきついのですが、特に秋から冬にかけて、「寝ても、寝ても、まだ眠い」などといった症状が現れたら、それは「冬季うつ」かもしれません。
・寒暖差疲労だけじゃない
・甘いものが止まらない
・なりやすいのは女性
以上の3つのポイントについて、詳しく解説します。
■「冬季うつ」チェックリスト 日常生活に支障も…
19日朝は全国的に冷え込みましたが、東京の最低気温は11.4℃でした。ただ、日中は一気に18.8℃まで上がりました。また、夜はガクンと下がって、20日朝の最低気温は10℃、昼の最高気温は20℃の予想です。朝昼の気温差が10℃ぐらいあり、寒暖差が体にこたえます。街でも、次のような声が聞かれました。
20代
「朝も(布団から)出られないし」
20代
「気合だね! いくぞ! みたいな。帰りはもう暗い!みたいな。定時であがっているのに、真っ暗。最悪って思う」
40代
「ちょっとマイナスに考えちゃったりとか」
50代
「夜も暗くなるの早いし、なんか損した気分もあるし」
20代
「寒くなると、めっちゃ食べちゃいます」
10代
「食べちゃいます」
20代
「甘いものとか、さっぱりから、こってりになったり」
「思わず食べ過ぎちゃう」という声もあり、「うん、うん」とうなずいてしまう人もいるかもしれません。
こうした季節の変わり目に、不調を感じる人は多いのですが、もしかしたら、その不調は「冬季うつ」と呼ばれる不具合かもしれません。
ある季節になると、症状が出るタイプのうつを医学的には「季節性感情障害」といいます。中でも、秋から冬の間に特徴的な症状が出る場合は、「冬季うつ」と呼ばれるそうです。
どのような症状が冬季うつなのか、チェックリストがありますので、みなさんも確認してみてください。
【冬季うつ? チェックリスト】
「10月~11月ごろから春にかけて、気持ちが落ち込むことが多い」
「何をするのもおっくう、布団から出たくない」
「特に午前中は調子が悪い」
「食欲はある。特に菓子パンが無性に食べたい」
「体重が増えた」
「睡眠時間が増えた。あるいは、日中眠くてしょうがない」
(パークサイド日比谷クリニック 立川秀樹院長より)
冬季うつに詳しいパークサイド日比谷クリニックの立川秀樹院長によると、こうした症状が多く、悩んでいて、職場や学校、家庭などの日常生活に支障をきたす場合、「冬季うつの可能性がある」ということです。
■冬季うつ 「なりやすいのは女性」
チェックリストでも見てきたのですが、冬季うつには通常のうつとは異なる症状があります。
まず、大前提として、一般的なうつ病も、冬季うつも、共通点があります。「気分が落ち込む」、「物事を楽しめない」などの症状があるのは、一般的なうつ病も、冬季うつも一緒です。
一方で、一般的なうつ病では、「食欲がない」、「不眠」といった症状が代表的なものです。
しかし、冬季うつの場合、逆に「食欲が増す」、「過眠」、「日中でも眠い」といった症状が出やすくなるということで、真逆の症状です。
パークサイド日比谷クリニックの立川院長によると、こうした症状が特に冬場に強く出る、ただ、春ごろになると、自然と良くなるということです。また、立川院長が診察した経験によると、「8:2で女性の方が多い」ということです。
冬季うつにはお日さま、つまり、「日照量の減少が大きく関わっている」とされています。冬場、日が短くなって、太陽光が減ると、人間の脳の中にある神経伝達物質「セロトニン」の機能が低下します。そうすると、体内時計を調整するホルモンが乱れます。その結果、さまざまな不調が現れてくるのです。
■「冬季うつ」 私たちができる予防法とは?
やはり、日光が関係していますので、私たちができる予防としては、冬場でも「太陽の光を浴びる」ということは、とても大切です。患者さんの中には、日照時間の長い温暖な地域に旅行したことで、症状が回復した人もいたということです。
さすがに旅行までは難しくても、やはり朝起きたら、太陽の光を浴びるということが大事です。また、そのために、夜更かしをしないということも大事になってきます。さらに、意外といいのが「朝シャワー」ということらしいです。シャワーを浴びると、シャキっとしますし、交感神経を活性化させる効果があるとされています。
さらに、パークサイド日比谷クリニックの立川院長によると、食事も大切です。例えば、大豆製品、鶏肉、バナナなどや、豚肉を心がけてとるといいそうです。こうした食品にはトリプトファンというアミノ酸、豚肉にはビタミンB6が多く含まれていて、セロトニンの原料になるということです。
「冬季うつ」は症状が比較的軽く、自然に良くなることもありますが、日常生活に支障があるような場合は、早めに精神科、心療内科の専門医に相談してほしいということです。
(2022年10月19日午後4時半ごろ放送 news every. 「知りたいッ!」より)