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女性の再婚「100日間禁止」ルール撤廃へ......背景に“無戸籍”問題 再婚後に生まれたら「現夫の子」に 改正案を閣議決定

2022年10月15日 12:34
女性の再婚「100日間禁止」ルール撤廃へ......背景に“無戸籍”問題 再婚後に生まれたら「現夫の子」に 改正案を閣議決定

■ ルール廃止...法律改正案を閣議決定

岩本乃蒼アナウンサー
「女性は離婚して100日間は再婚禁止。離婚から300日以内に生まれた子は『前の夫の子ども』。こうしたルールが廃止される法律の改正案が、閣議決定されました。なぜ廃止されるかというと、今のルールでは問題があるからです」

■ 「無戸籍」も...現行のルールの問題点


岩本アナウンサー
「例えば、ある女性が離婚を考えている夫Aさんと別居中に、Bさんとの子どもを妊娠。その後に離婚してBさんと再婚し、子どもが生まれました。この子どもは、今のルールでは離婚から300日以内に生まれた場合、戸籍上は元夫のAさんとの子どもになります」

「もう1つルールがあります。結婚して200日を過ぎると戸籍上、再婚相手のBさんの子どもになります。離婚した直後に再婚した場合、この100日の間に生まれた子どもがどちらの子どもか分からなくなるため、女性は離婚後100日間は再婚禁止とされています」


「こうしたルールの中で、300日以内に生まれた子どもが戸籍上、『前の夫の子』になるのを避けたい母親が出生届を出さず、子どもが無戸籍になる問題がありました。戸籍がないと、保育所などの行政サービスをすぐに利用できないなどの不利益が指摘されていました」

「今回の改正案は、再婚後に生まれた子どもは期間を問わず『今の夫の子』とし、女性の再婚禁止期間も廃止にしようというものです」

■ 土井さん「時代に合ったルールを」


岩本アナウンサー
「土井さんはフランスで生まれ、フランスでも(ハンドボール選手として)プレーをされていましたが、フランスでは2005年に(同様のルールは)廃止されました」


土井レミイ杏利・ハンドボール元日本代表主将
「そうですね。既に困っている人が大勢いた中で、日本ではどうしてここまで時間がかかってしまったのか、その理由があるなら知りたいです」

岩本アナウンサー
「当事者になってみないと、気づきにくい問題でもあります」

土井さん
「正直、僕もこの報道で初めて知りました。もしかしたら同じように、時代に乗り遅れた法律の狭間で困っている人たちが他にもたくさんいるのかなと思うと、時代に合わせてどんどんルールは変えていく必要があります」

「同時に、今回のルール改正はこれから困る人をなくそうというものなので、今、まさに困っている人たちへの支援や対処もしっかり行ってほしいです」

岩本アナウンサー
「政府は改正案について、今の臨時国会での成立を目指しています」

(10月14日『news zero』より)