【大雨】「年々激しくなっている」2日も激しい雨 濁流にのまれた道路 農作物への影響は 福岡
梅雨前線の影響で、九州北部では明け方から昼前にかけて局地的に激しい雨が降りました。福岡県久留米市では、降り続いた雨による農作物への被害が心配されています。
■宮原真記者
「まもなく午前10時になるところです。北九州市内、雨が強くなっていて歩道に水たまりができています。車道を走るバスはライトをつけていて、ゆっくり走っているように見えます。」
2日も激しい雨が降った福岡県。6月29日の降り始めから2日午後4時までに降った雨の量は、八女市黒木で289.5ミリ、久留米市の耳納山で239.5ミリ、宗像市で238.5ミリに達しました。
福岡市や北九州市などに一時、土砂災害警戒情報が出されましたが、午後3時前にすべて解除されました。
こちらは、北九州市若松区宮丸で撮影された映像です。撮影した女性よると、雨が降り始めて30分ほどで、道路が濁流にのまれました。
■撮影した女性
「全面、茶色の泥水が流れていた。足首ぐらいまで、だーっと。年々激しくなっているような気がします。」
降り続いた雨で心配されるのが、農業への被害です。
久留米市田主丸町で、植木を生産している高尾準之助さんです。この時期は、害虫を防ぐため植木を消毒する必要がありますが、連日の雨で作業ができていません。
■高尾緑樹園・高尾準之助さん
「15分とか20分程度、ゴーという音がした。去年はそれが1時間、2時間続いた。」
高尾さんの農園は2023年7月の豪雨でも、近くの用水路からあふれ出た水で被害を受けました。
■高尾さん
「土砂が入って、撤去しても病気が蔓延する。撤去して片づけるのに2年から3年かかる。」
今回の雨で被害はなかったものの、去年の被害が残っていることや今後の雨の不安から、農地の3分の1で栽培をあきらめました。
■高尾さん
「金額的なものにすると、全部含めれば相当な金額です。何百万。最悪の場合、廃業というのも考えないと。」
一方、こちらは1日夕方の久留米市北野町の様子です。川から水があふれ、辺り一面、広い範囲で冠水しています。
■元木寛人フィールドキャスター
「福岡県の担当者がビニールハウスが浸水しているか調査しています。」
2日午前、福岡県から依頼を受けた調査会社の関係者が、冠水が確認されたエリアを中心にビニールハウスを見回っていました。この地域は毎年のように水害の被害を受けていて、2023年は100棟以上のビニールハウスが浸水しました。2日の調査では16棟で浸水が確認されました。
■農業・佐藤弘也さん
「道は通れたが、田んぼは つかりかけている状態で、あちらから水が濁流のように流れてきていた。」
佐藤弘也さんは、この地域で農業を営んでいます。チンゲンサイを育てているビニールハウスに被害はありませんでしたが、先週土曜日に稲を植えたばかりの田んぼが冠水しました。心配していたのは、タニシによる被害です。
■佐藤さん
「いまは土の中にいるのでいいが、 水位が上がるとジャンボタニシが浮いて、苗の先の方が柔らかいので食べて苗がなくなる。植えた直後はどうしても弱いので被害を受けやすい。」
佐藤さんはイネの生育に影響が出ないか、不安を募らせていました。
■佐藤さん
「また、ことしもかと。まだ梅雨明けしていないので、 水害にヒヤヒヤしながら仕事をしないといけない。」
3日は梅雨の晴れ間となりそうですが、今後も大雨への警戒は続きます。