【なるほど天気解説】遅れているウメの開花発表 その理由は「標本木が老いて弱った」
市川 栞 キャスター:
木曜日は気象予報士の小野さんに週末の天気を中心に伝えてもらいます。お願いします。
小野 和久 気象予報士:
お願いします。
市川:
小野さん、きょうも最高気温がひと桁の寒い一日でしたね。
小野:
日曜日からは、10度以上の日が続く見込みです。
小野:
気象台の週間予報を見ていきましょう。あすの雪か雨は、朝までには止むでしょう。土曜日は雲が多めですが、日曜日と月曜日は晴れの天気が戻ってきます。火曜日は雨が降るでしょう。
市川:
数日おきに天気が変わる、春らしい週間予報ですね。
小野:
いまの時期の最高気温は、11度くらいが平年並みですので、週明けは平年より高い日が多いでしょう。
小野:
きょう、気象台から発表された4月初めまでの1か月予報を見ていきましょう。気温は、お伝えしたように、あさってからの1週間は平年よりも高い、中旬は平年並み、下旬から4月初めにかけては平年並みか高い見込みです。降水量は、平年並みか少ない予報になっています。
市川:
順調に春がやってきそうですね。
小野:
さて、2月23日が気象台にあるウメの標本木の開花の平年日でした。
市川:
きのう、ニュースで「兼六園のウメの咲き始めが遅れている」とお伝えしましたが、雪や寒さの影響でしょうか、標本木も遅れているんですね。
小野:
そこで、昨シーズンまでの5年間、金沢でウメの標本木の開花が発表された日を調べてみました。2020年は2月3日、2021年は2月21日、2022年は3月に入ってから、2023年は発表なし、そして2024年は2月26日でした。
市川:
年によってバラバラですね。おととしは発表がなかったんでしたね。
小野:
おととしの気象台の映像が残っています。
小野:
こちらが、おととし撮影した気象台のウメの標本木です。
市川:
小野さん、ちゃんと咲いているじゃないですか。
小野:
はい、おととしは3輪咲きました。ただ、サクラの発表基準と同じように、ウメも5~6輪が咲かないと開花は発表されません。
市川:
開花はしたけれど…3輪ではダメなんですね。
小野:
気象台の方に聞きましたら「標本木が老いて、弱ってしまった」のが、3輪しか咲かなかった理由だそうです。去年はなんとか5輪以上咲きましたが、気象台では、いま、新たな標本木の候補を複数選び、比較観測をしているそうです。
小野:
ウメの標本木を変えるときの基準は…
・白梅
・いまの標本木の統計に近い
・気象台から約5キロ以内… という条件があるんだそうです。
代わりの木がまだ決まっていませんので、ことしの開花発表は、いまの標本木で行う ということでした。
市川:
こんな条件で、複数の木を比較観測しているんですね。地道な作業が必要なんですね。
小野:
最後に、気象台の週間予報でこの先の天気をもう一度、確認しましょう。土曜日は雲が多めですが、日曜日と月曜日は、晴れの天気が戻ってきます。火曜日は雨が降るでしょう。週明けの最高気温は、平年より高い日が多いでしょう。
市川:
花粉にも気を付けながら、本格的な春の訪れを待ちたいですね。小野さんとお伝えしました。