買物・通院の足に 地域交通の新たなカタチ“AIオンデマンド”交通 金沢・大野地区で運行開始
路線バスの本数が少なく、移動が不便な金沢市の大野地区で、交通手段の確保に向けた取り組みが始まりました。新しい地域交通のカタチです。
「すいっとカナザワ大野町の出発です。どうぞ!」
14日、金沢市大野町で行われたこちらのミニバンの出発式。一体、何のための車なのかというと…
金沢市・村山 卓 市長:
「買い物や通院などの足がなかなか手配できないという問題もございました。生活の足として活用いただくことを願っております」
その目的は、地域交通の確保です。
金沢市の郊外では、路線バスの本数が少ない、停留所が近くに無いなどの理由で、特に高齢者の移動手段の確保が課題となっています。
そこで近年、各地で導入されているのが… 町会などが運営する独自の交通手段です。
実はこうした取り組み…
金沢市内では、既にいくつかの地区で行われていて、その費用は、市の補助金と利用者からの会費や運賃で賄われています。
今回、同じように路線バスの本数が少ない海側の大野地区でも町会が事業主体となり、新たな交通手段を導入することに…
大野地区を中心に、住民の生活圏である金石、大徳地区や多くの路線バスが発着するバスターミナルなどを、約50か所の停留所で繋ぎます。
運賃は1回300円。
乗りたい時間や行き先をスマホなどで入力するか、電話で事前予約をすると、AIが効率的な走行ルートを判断します。
金沢市大野町町会連合会・粟森 長八 会長:
「町の中にはクリニックも全然無いんですよ。商業施設も無いし、どうしても外部へ出ていかないといけない。大変いいものが運行できるなと思っています」
金沢市・村山 卓 市長:
「運転免許を返納したあとの生活という中で、生活範囲がどうしても狭まってしまう。ここからクリニックやお買い物などに、どんどん利用してもらいたいと思います」
持続可能な地域交通のために…
試験運行は、14日から最大8か月間実施されるということです。