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「何十年って愛されるお店に」太宰治も通った東北最古の喫茶店が復活!元タクシー運転手の5代目がつむぐ名店の新たな物語 青森県弘前市

2024年12月7日 0:06
「何十年って愛されるお店に」太宰治も通った東北最古の喫茶店が復活!元タクシー運転手の5代目がつむぐ名店の新たな物語 青森県弘前市

弘前市にある1929年創業の老舗の喫茶店が今日1年ぶりに復活しました。
太宰治も通った名店を受け継いだ5代目店主の思いを取材しました。


★猪股南アナウンサー
「弘前市土手町から1本入った かくみ小路の一角に老舗の喫茶店があります。お店の名前は『万茶ン』新しい店主を迎えて今日およそ1年ぶりに開店します」

去年12月に休業した土手の珈琲屋「万茶ン」。
店内は昭和レトロの落ち着いた雰囲気で、創業当時のシャンデリアやゼンマイ式の掛け時計、店のシンボルの大鵬のレリーフがそのまま残っています。


1929年昭和4年創業、東北では最も古く日本でも4番目に古いとされる名店で、旧制弘前高校時代の太宰治も通ったことで知られています。


この店を受け継ぎ開店の準備をしているのは黒石市出身の木下郁さん31歳です。
カフェ巡りが趣味でかつての万茶ンにも通っていましたが、店を所有・管理する会社が新しい店主を公募している事を知り思い切って応募。
40件近い希望者の中から選ばれたのです。

★万茶ン 5代目店主 木下郁さん
「自分が継ぐことでお店の歴史がつながるのであればと思って」

実は木下さん、今年の5月まで弘前市内のタクシー会社に勤務していて、アップルパイを紹介する「アップルパイコンシェルジュ」としてガイド付きタクシーのドライバーをしていました。

その経験も万茶ンを引き継ぐ気持ちを後押ししました。

★万茶ン 5代目店主 木下郁さん
「過去と現在がちょうどよく調和している街だなと思ったんですよね。コーヒーとアップルパイという街の目玉もすごく親しみやすいコンテンツで、地元を売り出すのにうってつけのアイテムだなって思って」

木下さんのお勧めはサイフォンでいれた本格的なコーヒーです。
店主に決まってからのおよそ4か月間、毎日コーヒーを入れて名店の味を守ろうと研究を続けてきました。

★万茶ン 5代目店主 木下郁さん
「ちょっとの水の量や蒸らし時間毎回毎回(味が)違って、それぞれおいしいのでそこがおもしろい奥が深いと思う」

その自慢の味をいただきました。

★猪股アナウンサー
「コーヒーのいい香り酸味苦みがほど良く深いコクがある本格的な味わいのコーヒーです」
「昭和時代にタイムスリップしたように感じますね」

木下さんは店内でゆっくりできるように、太宰治のほかにも青森県にゆかりのある作家の作品も並べ準備を進めてきました。



そして今日、開店時間の午前11時。
少し緊張気味の木下さん
いよいよ、オープンです。


★万茶ン 5代目店主 木下郁さん
「お待たせしました いらっしゃいませどうぞ」

開店と同時に「万茶ン」の復活を待ちわびたお客さんが次々とやってきました。
ほっとする暇もなくコーヒーをいれる木下さん。
新しい挑戦がいま始まりました。

★お客さん
「(以前)私ケーキ職人で万茶ンに自分で作ったチーズケーキをおろしていて」
「(コーヒーの)味がそのまま継承されていますので、息づいているんだなと今コーヒー飲んで心からほっとしている」
「再開するってなったら一番、開店と同時に入りたいなって思ってきました」
「りんごの味がすごくおいしくて、前と違ってアップルパイも種類が増えたので味の違いが楽しめる」

木下さんの目標は絵の展示会や交流イベントをお店で開くこと。
若い人も呼び込みつつ万茶ンの歴史をつないでいきます。


★万茶ン5代目店主 木下郁さん
「(弘前の)街は過去と現在がクロスするような世界観で(万茶ンも)すてきお店なので、この独特の雰囲気をずっとつないでいって、この先また何十年って愛されるお店になりたいです」

長きに渡る思いを受け継ぎ、新たな物語をつむぎ始めた土手の珈琲屋「万茶ン」。
レトロモダンな雰囲気の中でゆっくりとした時間を味わってみてはいかがでしょうか。

万茶ン 店舗情報

036-8182 青森県弘前市土手町36-6
営業時間:午前11時~午後5時
定休:日曜日

最終更新日:2024年12月7日 0:06
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