【特集】亡き父の思いを継ぐ「独創的に」生まれ変わったジャズ喫茶
2年前に閉店した青森市の老舗ジャズ喫茶が復活します。亡き父の思いを引き継ぎながらも、新しい集いの場として生まれ変わりました。
★鳴海沖人さん
「うちの親父が大好きだった本当に亡くなる直前までずっと聞いていたフランク・シナトラの一番好きだったアルバムです」
鳴海沖人さん、父は2年前に閉店した青森市の老舗ジャズ喫茶「jazz time disk」の店主、鳴海廣さんです。南郷サマージャズフェスティバルのプロデューサーとしても尽力するなど青森にジャズ文化を浸透させた廣さんは、ことし6月肺炎のためこの世を去りました。
★鳴海沖人さん
「僕はこのdiskに育てられた人間なんですよとなったときにこのdiskって名前を残したいなと思ったんです」
多くの人に愛されたdiskを復活させようと、廣さんから機材や設備を受け継いだ鳴海さん。往年の名店の香りを残しながらも、真新しい店内が完成しました。
しかしただの復活ではありません。新しい店舗は青森市奥野2丁目の金融機関だった建物です。2階部分には鳴海さんが師範を務める空手道場。1階には学習塾を併設しています。
ジャズ喫茶とはなかなか結びつきづらい組み合わせですが、そこには父・廣さんの教えがありました。
★鳴海沖人さん
「子どもの時からとにかく言われてきたのは『独創的なことをやりなさい』『人と同じことをやってもつまらないから自分にしかできないことをやりなさい』とよく言われたんです」
「昔のdiskを再現したよって言ってもおそらく喜ばない そうじゃないだろってそれは俺のdiskだろって逆におやじに言われちゃうから じゃあ沖人のdiskってなんなのってそれは子どもたちの居場所です」
「親父にもできなかった新しいジャズ喫茶日本中どこに行ってもないジャズ喫茶、日本中どこに行ってもない子どもの居場所そういうものをやるっていうのが僕の目的だったし」
「そういう意味ではこれは僕にとっての親孝行の形です」
独創的に生きる…父の教えを胸に生まれたのが、子どもから大人まで世代を超えた集いの場でした。
おととい、店ではオープンを祝うパーティーが開かれ、かつての常連客も駆けつけました。
★当時の常連客
「当時30年前くらい前から通っていたところなので非常に感慨深いものがあります」
「彼はお父さんとまたやっていることも違うしでもそれを全部合わせたような形でみんないまの青森に必要なニーズが集まっていると思うんです」
「たぶん青森市内でもこういう施設っていままでなかったと思うのでこれからどうなっていくかすごく楽しみです」
★鳴海沖人さん
「この思いをとにかく地域の子どもたち、そして地域のコミュニティスペースを作るというそういうことに還元していってあくまでも青森の未来のために青森の子どもたちのために還元していきたい そう思っています」
子どもから大人まで、まるで1つの家のような施設を目指すという新しい「disk」はあす正式にオープンします。