【特集】いつまで続く“令和のコメ騒動” コメの品薄で新米価格にも影響が 購入制限も… なぜ?《新潟》
全国的に問題となっているコメの品不足についてです。
間もなく本格的な新米の時期を迎えますが、その価格にも影響が出そうです。
異変は米どころ新潟でも起きていました。
(記者リポート)
「ここがお米のコーナーですね。在庫はまだありますが…1家族1袋までと購入制限が設けられています」
新潟市にあるスーパー「いちまん」では去年産のコメが品薄状態で購入制限をして対応しているといいます。
(いちまん 高井栄二朗店長)
「2か月くらい前からお米屋さんからもしかしたら足りないかもという話がきていた」
「次の納品を最後に去年産米は完売」取引業者からそう言われたといいます。
そのため特売の商品からコメを外し、何とか在庫を保っています。
“コメ不足”は人口の多い首都圏でより深刻です。
埼玉県のスーパーでは……
「お米の供給が不安定 商品によっては品切れ」
神奈川県でも。
(コメを買いに来た客)
「5人家族なのでお米ないと困るのでスーパーはしごで探していた」
神奈川県にあるこちらのスーパーでは普段、20種類以上の商品を揃えているといいますが、現在は半分程度しか仕入れられていないといいます。
(スーパーの食品担当者)
「こちらが想定している以上にコメの売り上げのスピードが速い状況が続いていて、補充も回数を増やさないと追いつかない」
“令和のコメ騒動”ともいわれるこの事態。何が起きているのでしょうか?
背景に迫ろうと新潟市西蒲区にあるコメの卸業者を訪ねました。
倉庫を見せてもらうと……
(保苅米穀 保苅晃規 代表取締役)
「こんな少ないときはないくらい少ない」
例年であれば少なくても3分の1程度は在庫があるといいますが、倉庫に残ったコメはあとわずか。
コメ不足の前兆は去年からあったいいます。
それが精米の出来です。
(保苅米穀 保苅晃規 代表取締役)
「整粒も例年に比べると一回り小さいと感じる。必要な玄米が多くなる商品をなる量は少なくなるので余計にすらなければいけない」
玄米30キロを精米した場合、例年であれば約27キロの白米がとれますが、去年はそれが約25キロに落ち込んだといいます。
去年の夏、記録的な猛暑に襲われた県内。
その影響で県産米は、収穫量の良し悪しを示す「作況指数」は95と全国最低レベルの「やや不良」という結果になりました。
さらに一等米の比率も過去最低に。
収穫量が少なく、さらにコメの粒も小さい。
コメの不作が品不足に影響しているといいます。
(保苅米穀 保苅晃規 代表取締役)
「横のつながりの中で他のコメ屋の余剰を分けてもらったり業者にお願いしてかなり高い仕入れ値にはなったがなんとかかき集めて新米までつながるように売るよりも仕入れに走っている方が長かった」
影響はコメの価格にも及んでいます。
コシヒカリの販売価格はこの数か月で上昇。
ことし4月から比べると5キロあたり300円ほど値上がりしています。
値上がりの動きは新米にも……
8月20日、いち早く店頭に並んだのは極早生品種「葉月みのり」の新米です。
柏崎市のJAの販売価格は去年より4割上がり、2880円でした。
日米連によりますと、コメの販売価格は年内いっぱい高値で推移し、新潟産コシヒカリの価格は3200円~3300円程度になると見込まれています。
仕入れ価格も高騰。こちらの卸業者では販売価格を据え置いていますが、このままでは値上げせざるを得ないといいます。
(保苅米穀 保苅晃規 代表取締役)
「全くコメが不足しているというわけではなく新米も新潟で出回り始めたし来週、再来週になればこしいぶきも新米が刈り取られてきますのでそうなると潤沢に新米もある去年は品質があれでしたけどことしはどうかなと楽しんで新米を食べていただければ」
コメ不足はいつまで続くのか。
卸業者によると新米が本格的に出回れは在庫不足は解消する見込みで買い占めなどはしないよう呼びかけています。