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戦後79年「1つ1つの遺品が語り部」特攻隊の資料館が閉館 展示品は護国神社へ 大分 

2024年8月15日 20:25
戦後79年「1つ1つの遺品が語り部」特攻隊の資料館が閉館 展示品は護国神社へ 大分 

戦後79年、8月15日は終戦の日です。

戦争の記憶の継承が課題となる中、14日、特攻隊員の遺品などを展示する大分県大分市の資料館が閉館しました。

終戦の日。県内でも15日、戦没者への祈りが捧げられました。

◆県護国神社に訪れた女性
「フィリピンの山の中で私は逃げて回った。そして家族みんな亡くなった。戦争のために人がどれだけ亡くなったかな。やっぱり平和な世界がいい」

戦後79年の2024年…

特攻隊員の遺品などを展示してきた大分市上野丘の予科練資料館は重い決断を下しました。

◆予科練資料館を運営川野孝康さん
「いよいよ閉館かなと思って、寂しいような…」

36年前、元特攻隊員の川野喜一さんが自宅を改修して開設したこの資料館。

川野さんは2022年に亡くなり、長男の孝康さんが運営を引き継ぎましたが、今後の担い手がいないことから14日、閉館しました。

◆喜一さんの長男・川野孝康さん
「大切にしていた展示物、遺品が県護国神社で整理、保管されるのがありがたい」

数多くの展示品は県護国神社に移されます。

◆協力する亀田雅弘さん
「優先的に保存したいのが(戦闘機)彗星のプロペラスピンナー。これは唯一無二のものだと思う」


展示品を神社に移す作業が今、進められていて、戦争の歴史を研究する有志たちが協力しています。

◆協力する亀田雅弘さん
「1つ1つの遺品が語り部だと私は思うので、次世代に継承していく必要があると思っている」


次世代への継承―その大切さを感じる人はほかにも…

◆祖父が元特攻隊員須川可愛さん
「ここですね、高木忠義って書いている」

福岡県に住む須川可愛さんです。

祖父の高木忠義さんは元特攻隊員。

突撃することなく終戦を迎え、73年の人生を全うしました。


生前に戦争の話を聞けなかったことを悔やむ須川さん。
子育てが落ち着いた後から祖父のことを調べるようになり、2022年資料館を訪れました。

そこで、写真など祖父に関する様々な資料を見つけることができました。

◆祖父が元特攻隊員須川可愛さん
「ずっとずっと気になっていて…。今だから調べられ、託されたと思っている」

自分のように、これから戦争のことを知ろうとする人たちのために資料の継承を望んでいます。

◆川野孝康さん
「2024年8月14日。きょうをもって36年間の大分予科練資料館は閉館になります。ありがとうございました」


やむなく閉館した資料館。

しかし、平和への思いは未来へとつながっていきます。

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