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廃棄の布団「もったいない」焼却せずリサイクルへ 環境負荷やコスト軽減 山梨・南アルプス市

2025年3月6日 13:43
廃棄の布団「もったいない」焼却せずリサイクルへ 環境負荷やコスト軽減 山梨・南アルプス市

 質の高い日本の布団を焼却処分せずにリサイクルしようという実証実験が18日、南アルプス市で始まりました。環境負荷やコストの軽減が期待されています。

 冬から春にかけてが多いという布団の廃棄。南アルプス市南部資源回収センターにはこの時期、1週間で約500キロから1トンにも上る布団が持ち込まれます。

 これらの布団はすべて「可燃性粗大ごみ」として焼却されてきました。しかし、効率よく焼却するには布団を裁断して細かくする必要があり、労力や資源保護などの観点から課題がありました。

  そこで、市が1月から新たに取り組んでいるのが、布団のリサイクルです。

佐藤記者
「1週間で私の背丈を超える量の布団が回収されて新しい布団に生まれ変わったり、海外に輸出されたりするということです」

 持ち込まれた布団はリサイクル業者によるクリーニング後、かけ布団や敷布団など種類ごとに分けられ、一部はそのまま海外に輸出されます。品質の高い日本の布団は人気があるということです。

 一方、輸出されない布団は中の綿やポリエステルを取り出して粉砕、洗浄・滅菌処理を施した上で大手企業に引き取られ、新たな布団の素材として再利用されます。

布団リサイクル業「yuni」籔根清幸さん
「綿自体は使えるものなので、中身はやはりもったいない。CO2削減のために布団のリサイクルをしています」

環境リサイクル業「安藤紙業」安藤秀晃 所長
「日本の布団は使えるものが多くて新品の布団も出てくるので、海外でも喜んで使ってもらえています」

 今回の実証実験が事業化すれば廃棄された布団の8~9割は焼却処分せずに済み、燃料代や排出されるCO2も大幅に削減できるとしています。

南アルプス市環境課 秋山太一さん
「市から出る家庭ごみの多くは捨てればごみとなりますが分ければ資源となりますので、分別やリサイクルに協力いただきたい」

 市は来年度からの事業化を目指していて、布団以外にも可燃ごみの再利用ができないか検討していくとしています。

最終更新日:2025年3月6日 13:43
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