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首相が施政方針演説 真価問われる通常国会

2022年1月17日 18:01
首相が施政方針演説 真価問われる通常国会

岸田首相にとって初めてとなる通常国会が17日に召集され、岸田首相が施政方針演説を行いました。新型コロナウイルス対策が最優先課題だと強調した岸田首相ですが、急拡大するオミクロン株に対応できるのか、真価が問われる国会となります。



17日に召集された通常国会。岸田首相は、今後の政府の方針を示す施政方針演説に臨みました。

はじめに岸田首相は、国民に対し、新型コロナ対応への協力を呼びかけました。

岸田首相
「岸田政権の最優先課題は新型コロナ対応です。しかし、政府だけで対応できるものではありません。皆で協力しながら挑戦し、コロナ後の新しい日本を創り上げていこうではありませんか」

その上で、岸田首相は「国民の皆さんの『またか、いい加減にしてくれ』『もう限界だ』という声を私自身聞いてきました。しかし、新型コロナという見えない敵は、想定以上に手ごわいことを、改めて認識しなければなりません。一度決めた方針でも、より良い方法があるのであれば、躊躇なく改め、柔軟に対応を進化させていく所存です」と述べました。

また、気候変動問題について――

岸田首相
「皆さん、子や孫の世代のためにも、共にこの困難な課題に取り組もうではありませんか。同時にこの分野は、世界が注目する成長分野でもあります」

気候分野への投資を少なくとも倍増させ、成長戦略のエンジンとすることを打ち出しました。

新たな取り組みは、外交・安全保障の分野でも示されました。

岸田首相
「6年前、オバマ大統領は原爆資料館で『核兵器のない世界を追求する勇気を持ちましょう』と記帳し、自作の折り鶴を残しました」

岸田総理は、2016年にアメリカのオバマ大統領が被爆地・広島を訪れ、記帳の際に核兵器のない世界に向けた思いを書き記したエピソードを紹介しました。

その上で、「被爆地、広島出身の総理大臣として、私はこの思いを引き継ぎ、勇気を持って『核兵器のない世界』を追求していきます。各国の現・元政治リーダーの関与も得ながら、『核兵器のない世界に向けた国際賢人会議』を立ち上げます。本年中を目標に、第1回会合を広島で開催いたします」と述べました。

演説の最後には、「幕末に生きた勝海舟は“己を改革す”自らを律することに重きを置きました。我々政治・行政が自らを改革し、律していくことが求められています。その最大の原動力は国民の声です」と述べ、国民の声に耳を傾ければ、改革の道は見えてくるとして、ここでも国民に協力を呼びかけました。



演説を聞いた野党からは――

立憲民主党・泉代表
「画竜点睛を欠くというか、かゆいところに手が届かない。肝心なところに具体策がない。いろいろと党内、気を使うことが多いんだろうなと」

共産党の志位委員長は「これまでの経済政策の責任はどこにあるのか、今後、国会でただしていく」としています。