×

なぜ辺野古に決めた?鳩山首相の決断の裏側

2010年5月24日 21:37
なぜ辺野古に決めた?鳩山首相の決断の裏側

 鳩山首相は23日、沖縄・宜野湾市のアメリカ軍普天間基地を沖縄・名護市辺野古周辺に移設する方針を表明した。一転して「辺野古」を表明した鳩山首相だが、ここに至るまで水面下でどのようなやり取りがあったのだろうか。政治部・山見穣太郎記者が解説。

 移設先を辺野古に絞ることは、今月末までに地元、アメリカ、連立与党いずれの合意も得られない瀬戸際で、アメリカの合意だけは取り付けたいという苦渋の選択だった。しかし、鳩山首相は沖縄で辺野古移設を明言することに強い抵抗感があり、方針はギリギリまで決まらなかった。政府高官は先週末でさえ、「沖縄でどこまで言うかは首相次第だ。その日その日で状況が変わっている」と語っていた。しかし、22日に日米が辺野古移設で大筋合意したことを受け、あいまいにできないと判断した。ただ、同じ辺野古でも自民党政権時代の「現行案に戻った」とは言われたくないようで、環境に配慮した建設方法などをアピールして批判をかわしたい考え。

 地元の了承が不可能となった今、連立与党の社民党の了承は何とか取り付けたい考えだが、社民党・福島党首は23日、「実現不可能な計画を強行することほど愚策なことはない」と述べている。政府は閣議にかける文章を工夫することなどを検討しているが、日米合意との整合性も問われるため、調整が難航することは必至だ。