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自民党大会 谷垣総裁「政権奪還を」

2011年1月23日 20:14
自民党大会 谷垣総裁「政権奪還を」

 自民党・谷垣禎一総裁は23日の党大会で、24日に召集される通常国会で菅直人政権を解散・総選挙に追い込み、政権奪還を目指す決意を強調した。政治部・中丸由子記者が報告する。

 谷垣総裁「民主党政権を解散・総選挙に追い込んで、一刻も早い政権奪還、新しい自民党政権樹立に向けて頑張ることを、まず宣言したい。その実現こそが『日本再生』を果たすための、最も早く正しい道筋だ」

 自民党は通常国会で、民主党のマニフェストの綻びや、民主党・小沢一郎元代表の「政治とカネ」の問題などを追及し、11年度予算案と関連法案をめぐる攻防で解散・総選挙に追い込む戦略。09年の政権交代以降、民主党政権が「政治とカネ」や外交の問題で失速し、内閣支持率が改造後も低迷していることから、今回の党大会では執行部批判は鳴りを潜め、「今なら勝てる」との高揚感に包まれた。

 その一方で、自民党の政党支持率は民主党を1%上回るだけで、民主党批判の受け皿にはなりきれていない。自民党の中堅・若手議員の中には、野党党首として迫力を欠く谷垣総裁に対する不満が依然としてくすぶっている。菅原一秀副幹事長は「解散・総選挙に追い込めるかは、総裁のリーダーシップにかかっていると思うが、心配なのは、風や空気は一瞬にして変わるから、言葉だけでなく覚悟・勢いが問われる」と述べている。

 自民党では、派閥の解消や世襲候補の制限などの党改革は尻すぼみに終わっており、「自民党は変わった」という明確なメッセージをどう出していくのか、谷垣総裁のリーダーシップが問われている。

 また、通常国会では、菅政権に解散を迫る上で鍵となる公明党を野党共闘につなぎ留めておくことができるのかも、谷垣総裁にとって大きな課題となる。

 この国会で菅政権を解散に追い込むことができなければ責任論が出る可能性がある一方で、ただ反対するだけの野党と見られては国民の支持を失いかねず、谷垣総裁には難しい判断も迫られる。

 通常国会は、菅首相だけではなく、自民党と谷垣総裁にとっても正念場となる。