“政治とカネ”で野党が要求――「政倫審」とは 「受けないと持たない」…首相、処分を見据えて決断か 安倍派幹部らの出席は?
野党が自民党に対し、政倫審(政治倫理審査会)の開催を迫っています。岸田首相は応じる方向で、自民党議員や政権幹部からは「受けざるを得ない雰囲気」「応じないと厳しい」といった声も。一方、安倍派の幹部らは出席に後ろ向きな人が多い状況です。
「今焦点となっているのが、野党が求める政倫審(政治倫理審査会)を自民党が受け、安倍派幹部のいわゆる“5人衆”や、二階元幹事長らが出席するかどうかです。そもそも、政倫審は何をする場なのでしょうか?」
小栗泉・日本テレビ解説委員長
「もしも開かれることになれば、15年ぶりのことになります。政治的・道義的な疑惑を持たれた議員が呼ばれます。必ずしも他の議員から追及されるだけではなく、自ら弁明することもできます」
「証人喚問と違って出席するかどうか、ウソの発言をしないかどうかなど、法的拘束力はなく、あくまでも議員同士が政治倫理に基づいて責任を明らかにしようとする場です」
有働キャスター
「岸田首相は政倫審に応じる方向なのですね」
小栗委員長
「そうですね。首相はこれまで、表向きは『国会が決めること』とずっと言ってきましたが、『政倫審を受けなければ持たない』と、ここに来て考えているようです。ある自民党のベテラン議員は『政倫審は受けざるを得ない雰囲気になってきている』と話します」
「野党が、来年度予算案の年度内成立と連動させて要求しているからです。政倫審を開けば予算案の審議をスムーズに行う、開かなければ審議に応じないという構えを見せて、政倫審の開催を迫っています」
「ある政権幹部は 14日夜、『予算の年度内の成立には政倫審に応じないと厳しい』という認識を示しました」
小栗委員長
「岸田首相の側近議員は『政倫審を受ければ安倍派の幹部からは恨まれ、岸田首相にとってとても重い決断になる。一方で、呼んでも来なかったらそれをもって自民党として処分する理由になるよな、とその先の処分も見据えて首相は決断するのでは』と話しています」
有働キャスター
「安倍派幹部らは、呼ばれたら応じるのでしょうか?」
小栗委員長
「少なくとも安倍派幹部らは、今のところは後ろ向きな姿勢の人が多いです」
小栗委員長
「ある自民党幹部は『(政倫審を)受けたらよいと思うが、ほとんど受けないのでは? 自分が応じると二階さんが出ざるを得なくなるのが嫌だ、という人は結構いるようだ。(二階氏に)気を使っているのか、それを理由にしているのかは分からないけど』と言います」
辻愛沙子・クリエイティブディレクター(「news zero」パートナー)
「昨年末からずっと、『しかるべきタイミングで説明します』と皆さん口をそろえて、耳にたこができるほどおっしゃっていたように思います。仮に今回すらもスルーしたら、一体いつ、その『しかるべきタイミング』とやらが訪れるのか…」
「とにかく逃げたら逃げただけ、自民党への不信感は高まり続けるので、いい加減ご説明をお願いしたいなと思います」
有働キャスター
「これまでずっと、『何か隠しているのでは』ということのオンパレードです。せっかく政倫審をやるなら、原則非公開ですが公開にしてもいいのですから、国民の前で、オープンな場でクリアにしてください」
(2月14日『news zero』より)