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解説:「政倫審」開催の見通しと岸田首相の本音は?…「政治とカネ」国会で集中砲火

2024年2月14日 17:37
解説:「政倫審」開催の見通しと岸田首相の本音は?…「政治とカネ」国会で集中砲火

国会では14日、「政治とカネ」をめぐる集中審議が開かれました。野党側は、安倍派幹部らが政治倫理審査会で説明することを求めました。ここからは、政治部・江口友起記者に聞いていきます。

──岸田首相は、政倫審の開催について、「国会が判断すること」と繰り返し述べていましたが、開催の見通しはどうなんでしょうか。

首相周辺は「説明責任は重要だけど、あくまで本人次第で強制はできない」と慎重なスタンスです。

また、政権幹部の1人も「受けたらよいが本人次第だ」と述べるなど、安倍派幹部などが出席を求められても応じないのでは、との見通しを示しています。別の首相周辺も「首相自身は開けばいいと思っているが本人が出ないと言えば開けないのが現実だ」などと話しています。

──野党は14日、岸田首相に「なぜ、直接説明を促さないのか」と繰り返してましたが、なぜ岸田首相は直接言えないのでしょうか?

ある首相側近議員は「政倫審を受ければ、安倍派幹部から恨まれる」と指摘しています。

また、別の自民党幹部は、岸田首相が後ろ向きな理由について、「総裁選での再選を思ってのこと、というのがあるだろう」と話しています。一方、ある首相側近議員から「開かざるを得ない雰囲気になってきている」との声が上がっています。ここにきて開催に「慎重」だった声が減り「開催せざるを得ない」雰囲気に傾いてきています。

14日夕方になって、これまで開催に慎重だった自民党幹部の1人が「やらざるをえない」と態度を変えました。

ある自民党ベテラン議員は、「政倫審を拒否すれば、説明責任を果たす気がないと、党全体がさらに沈む」と指摘しています。

──安倍派幹部、本人たちは出席する気はあるのでしょうか?

安倍派幹部らは、後ろ向きな姿勢の人が多いですが、幹部の1人は、「自分だけ出るわけにはいかないが、呼ばれたらもちろん出る」と話しています。

自民党は今週にも党幹部による不記載が指摘された安倍派・二階派の議員らへの聞き取り調査の結果を公表する考えです。この結果が出れば次は、安倍派幹部らへの国会での説明を求める声は、さらに強まることが予想され、岸田首相には厳しい判断が求められます。