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安倍元首相「国葬」 友人代表…菅前首相が追悼の辞 2人で行った“焼き鳥屋での思い出”語る

2022年9月27日 17:09
安倍元首相「国葬」 友人代表…菅前首相が追悼の辞 2人で行った“焼き鳥屋での思い出”語る

7月の選挙期間中に銃撃を受けて亡くなった安倍晋三元首相の国葬が、27日午後2時すぎから日本武道館で行われています。1分間の黙祷のあと、安倍元首相の生前の姿をまとめた映像が流れ、岸田首相が追悼の言葉を述べました。友人代表としては、菅前首相が壇上に。そこで明かされたのは、2人で焼き鳥屋に行ったエピソードでした。世論を二分した国葬をめぐる、朝からの動きを追いました。

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秋晴れとなった27日朝、様々なところで掲げられた半旗。安倍元首相が選挙応援の演説中に銃撃されてから約2か月半、「国葬」の日を迎えました。

会場となる東京・千代田区の日本武道館周辺は、最高レベルの厳戒態勢に。全国の警察から派遣された約2500人を含む2万人規模の警察官が配置され、その姿は、皇居のお堀や、安倍元首相の自宅周辺にも。不審物を探す中で見つけたゴミも回収していました。警備には、国葬の費用約16億6000万円のうち、8億円程度があてられているとみられます。

そして、会場周辺では、一般向けの献花台が設置された公園に、朝早くから多くの人の行列ができていました。急きょ、開始時間を30分早め、午前9時半から献花の受け付けが始まりました。

献花に訪れた人
「今まで本当に、日本のためにご尽力色々いただいて、ありがとうございましたという気持ちで」

花は各自で用意するよう求められているため、近くの生花店には、花を買いに来る人たちが絶え間なく訪れていました。また、安倍元首相が銃撃された奈良市の現場にも、朝から手を合わせる人の姿が見られました。

現場を訪れた人
「日本武道館に行きたかったけど、行けないので『せめて』と思って来た。自分の気持ちを整理するために」

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日本武道館周辺では朝から交通規制が敷かれ、靖国通りなど一部で通行止めに。それに伴い、信号機が消されました。こうした規制の影響で、規制の先にある美術館が27日は臨時休館になり、知らずに来てしまい引き返していく人の姿がみられました。

美術館に行きたかった人
「致し方なしということで」

国葬の開始が近づくにつれ、日本武道館周辺には人が集まりはじめ、国葬に反対するデモが始まりました。

「国葬反対!」

午後2時ごろ、国葬が行われる日本武道館近くの交差点では、警察と抗議する人たちが激しいもみ合いになっていました。当局によると、国会正門前の交差点では午後2時半時点で、2600人もの人たちが国葬の反対を訴えたということです。

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賛否が割れる中で行われることとなった国葬。午後1時半前、安倍昭恵夫人が、夫の遺骨を抱いて自宅を出発しました。

弔意を示す弔砲が撃たれる中、午後2時前、遺骨が日本武道館に到着し、国内や海外からの参列者約4300人が待つ会場へ。午後2時すぎから国葬が始まりました。

葬儀副委員長 松野博一官房長官
「ただいまから、故安倍晋三国葬儀を執り行います」

1分間の黙祷のあとに流されたのは、安倍元首相の生前の姿をまとめた映像です。ピアノを弾く姿から始まった映像。8分間にわたって、安倍元首相の功績が紹介されました。

そして、追悼の言葉を述べたのは、岸田首相です。

葬儀委員長 岸田文雄首相
「安倍さん、あなたはまだまだ長く、生きていてもらわなければならない人でした」

「あなたが敷いた土台の上に、持続的で、すべての人が輝く包摂的な日本を、地域を、世界をつくっていくことを誓いとしてここに述べ、追悼の辞といたします」

安倍元首相の友人代表として壇上に立った菅前首相は、持病の悪化を理由に一度辞任した安倍元首相を、再び総裁選に出馬するよう説得したエピソードを明かしました。

友人代表 菅義偉前首相
「そのこと(辞任)を負い目に思って、2度目の自民党総裁選出馬をずいぶんと迷っておられました。最後には、2人で銀座の焼き鳥屋に行き、私は一生懸命、あなたを口説きました。3時間後には、ようやく首をタテに振ってくれた。私はこのことを、菅義偉生涯最大の達成として、いつまでも誇らしく思うであろうと思います」

その後、秋篠宮ご夫妻や佳子さまなど皇族方が花を供えられ、続いて岸田首相、そして、昭恵夫人が献花しました。

国葬に反対していた野党第一党・立憲民主党の執行部や共産党などは欠席しました。国葬は夕方まで行われます。