自民・総裁選“ポスト岸田”レース 「小石河連合」今回は“ライバル”…思惑は?【バンキシャ!】
自民党総裁選で10人以上の名前が挙がる「ポスト岸田」候補のなかから、3年前の総裁選で連携した「小石河連合」こと、小泉進次郎氏、石破茂氏、河野太郎氏に注目かつての味方は今回、手強いライバルに。それぞれの水面下の動きが見えてきました。【バンキシャ!】
24日、鳥取県八頭町にある神社。境内には大勢の報道陣が集まっていた。中心にいたのはここ鳥取が地元の自民党・石破元幹事長だ。
バンキシャ
「日本テレビ『バンキシャ!』です。どうですか、地元の神社の空気は?」
自民党・石破元幹事長
「はあ~。懐かしいですねえ、ここで夏祭りがあってそれはにぎやかだった。みんなで踊りを踊って、いろんな店も出て、楽しかった。子どもの頃の一番の思い出ですよ」
“思い出の地”で、まずはお参り。そして、こう切り出した。
自民党・石破元幹事長
「私、石破茂は、このたびの自由民主党総裁選挙に立候補をいたします」
総裁選へ。のろしを上げた石破氏にバンキシャは、ある質問をぶつけた。
バンキシャ
「かつての小石河連合の小泉さんと河野さんのこと、どう…」
自民党・石破元幹事長
「それは1回一緒にやったんだもん、そんなに思いがバラバラなはずはない」
「小石河連合」とは、前回(2021年)の総裁選で連携した小泉元環境大臣、石破元幹事長、河野デジタル大臣の3人。河野氏が出馬し、小泉氏と石破氏は支援にまわった。
自民党・小泉進次郎元環境相
「河野さんの突破力は政界の中で群を抜いていると思います」
しかし今回は、3人それぞれが出馬へ。関係は一転“ライバル”となる。
バンキシャ
「今回は戦う相手になりますが」
自民党・石破元幹事長
「それはそれ、これはこれだ。みんな同じ自民党だからね」
日を追うごとに熱を帯びる、“ポスト岸田”を巡る戦い。水面下での駆け引きもすでに始まっていた―。
***
出馬表明を終えた石破氏は、24日、鳥取・八頭町内のお祭りを訪れた。向かった先は、カレーの出店。次から次へと(カレーを)口に運ぶ。
自民党・石破元幹事長
「カレーは飲む物だって言ってな」
大学時代は毎日食べていた、というほどの“カレー好き”。
バンキシャ
「今回の総裁選をカレーに例えると何辛?」
自民党・石破元幹事長
「それはなんだろうな」
バンキシャ
「甘口とかありますか?」
自民党・石破元幹事長
「カレーはピリッと辛いのがよろしかろうよ。味わい深くて奥が深くて、元気になって気持ちが引き締まって、そして奥が深い(総裁選を)そういうカレーに例えられたらいいなと」
そう語る、石破氏。最大の課題は「国会議員票」だ。
これまで4回挑んだ総裁選では多くの党員票を集めたこともあったが、同僚である国会議員から支持を得られず涙をのんできた。
今回もすでに党内からはこんな声があがっているという。
自民党議員
「石破さんは後ろから鉄砲を撃つ人だ」
自民党議員
「いざという時に守ってくれないだろう」
***
同じく「小石河連合」の1人、小泉元環境大臣。
バンキシャ
「小泉議員です」
23日、その姿は石川県輪島市に。能登半島地震の被災地を視察していた。「キリコ」と呼ばれる大きな灯ろうが町を練り歩く、伝統的な祭りが行われていたこの日。
市民
「頑張って」
市民
「総裁選、頑張ってください」
行く先々で、期待の声がかけられる。
市民
「進次郎!進次郎!進次郎!!」
バンキシャ
「進次郎コールがあがっています」
小泉氏の表情も、ほころんだ。
――視察後、小泉氏にも小石河連合について聞いた。
バンキシャ
「以前は小石河連合で河野さんがトップに立てば、日本は、自民党は変わると言っていたが、その点は?」
自民党・小泉進次郎元環境相
「リーダーにとって、リーダーが変われば政治が変わるのは当然のことです。『政治なんて誰がやっても変わらないよ』、そういう声は多くあると思いますが、そんなことはないです」
自民党・小泉進次郎元環境相
「リーダーを誰がやるかによって必ず、地域づくり国づくり、変わってきます。そう思っていただけるか、この総裁選は重要であることは間違いないことだと思います」
2人のライバルについては語らなかった。
しかし水面下では、“ある人物”が動き始めていた。菅前総理大臣だ。同じ神奈川県が地元で、いわば“師弟関係”。
3年前(2021年)、総理だった菅氏が退任を決めた時には…
自民党・小泉進次郎元環境相
「批判をされてばかりでしたけど、こんなに仕事をした政権はないと思います。感謝しかないですね。いっぱい…思い出すとね、言葉が浮かんできますけど…」
――涙を流し、いたわっていた。
そんな“愛弟子”の支援を決めた菅氏。複数の国会議員に電話をかけ、こう伝えているという。
「進次郎をやっていくからよろしく頼む」
菅氏の周辺の議員は、小泉氏支持で固まりつつあるという。
党の重鎮を味方につけ、30日(金)に出馬を正式表明する見通しの小泉氏。しかし党内では力量を懸念する声も根強い。
自民党幹部
「進次郎はリーダーに必要な外交経験が乏しく、党の要職もやっていないので総理としては経験不足」
***
そして「小石河連合」の3人目、河野デジタル大臣。24日、神奈川・平塚市にて、地元のバスケットボールチームの激励に訪れた。
司会
「それではよろしくお願いします!」
河野デジタル相
「うわ!」
司会
「ありがとうございました~!」
この時はユニホーム姿だったが…
河野デジタル相
「I‘m very sorry. How are you?」
それが数時間後には一転、スーツに身を包み、アフリカ3か国の閣僚と会談に臨んだ。安倍政権で外務大臣や防衛大臣を歴任。外交力が強みだ。
バンキシャ
「今回は石破さん小泉さんも出馬される見通しですが、どう見られていますか?」
河野デジタル相
「3人それぞれ頑張ろうと思います。総裁選挙ですから、終わったら自由民主党としてみんな1つになりますから、そこはご心配なく」
“ポスト岸田”へ。自らが所属する麻生派を中心に支持拡大を狙う河野氏。
54人を擁する麻生派は、裏金事件後も唯一、解散を決めていない。しかし“刷新感”が求められる選挙だけに、党内からはこんな声があがっているという。
自民党議員
「今回支持するには(河野氏が)麻生派を離脱することが条件だ」
多くの派閥が解散を決めてから初めての総裁選。どんな変化が起きているのか。
バンキシャが話を聞いたのは、安倍派に所属している、山田美樹議員。
山田 美樹 議員
「以前だったら派閥で(決める)というのがそうだったが、今回はそうではないので。みなさんどうするのかなってお互い意見交換する」
山田氏は小泉氏を支持することを決めたが、これまでの選挙とは違いを感じているという。
「より、ひとりひとりに『あなたはどう思うの?』ってことが問われる、今回の総裁選なんじゃないかなと思っています」
*8月25日放送『真相報道バンキシャ!』より
24日、鳥取県八頭町にある神社。境内には大勢の報道陣が集まっていた。中心にいたのはここ鳥取が地元の自民党・石破元幹事長だ。
バンキシャ
「日本テレビ『バンキシャ!』です。どうですか、地元の神社の空気は?」
自民党・石破元幹事長
「はあ~。懐かしいですねえ、ここで夏祭りがあってそれはにぎやかだった。みんなで踊りを踊って、いろんな店も出て、楽しかった。子どもの頃の一番の思い出ですよ」
“思い出の地”で、まずはお参り。そして、こう切り出した。
自民党・石破元幹事長
「私、石破茂は、このたびの自由民主党総裁選挙に立候補をいたします」
総裁選へ。のろしを上げた石破氏にバンキシャは、ある質問をぶつけた。
バンキシャ
「かつての小石河連合の小泉さんと河野さんのこと、どう…」
自民党・石破元幹事長
「それは1回一緒にやったんだもん、そんなに思いがバラバラなはずはない」
「小石河連合」とは、前回(2021年)の総裁選で連携した小泉元環境大臣、石破元幹事長、河野デジタル大臣の3人。河野氏が出馬し、小泉氏と石破氏は支援にまわった。
自民党・小泉進次郎元環境相
「河野さんの突破力は政界の中で群を抜いていると思います」
しかし今回は、3人それぞれが出馬へ。関係は一転“ライバル”となる。
バンキシャ
「今回は戦う相手になりますが」
自民党・石破元幹事長
「それはそれ、これはこれだ。みんな同じ自民党だからね」
日を追うごとに熱を帯びる、“ポスト岸田”を巡る戦い。水面下での駆け引きもすでに始まっていた―。
***
出馬表明を終えた石破氏は、24日、鳥取・八頭町内のお祭りを訪れた。向かった先は、カレーの出店。次から次へと(カレーを)口に運ぶ。
自民党・石破元幹事長
「カレーは飲む物だって言ってな」
大学時代は毎日食べていた、というほどの“カレー好き”。
バンキシャ
「今回の総裁選をカレーに例えると何辛?」
自民党・石破元幹事長
「それはなんだろうな」
バンキシャ
「甘口とかありますか?」
自民党・石破元幹事長
「カレーはピリッと辛いのがよろしかろうよ。味わい深くて奥が深くて、元気になって気持ちが引き締まって、そして奥が深い(総裁選を)そういうカレーに例えられたらいいなと」
そう語る、石破氏。最大の課題は「国会議員票」だ。
これまで4回挑んだ総裁選では多くの党員票を集めたこともあったが、同僚である国会議員から支持を得られず涙をのんできた。
今回もすでに党内からはこんな声があがっているという。
自民党議員
「石破さんは後ろから鉄砲を撃つ人だ」
自民党議員
「いざという時に守ってくれないだろう」
***
同じく「小石河連合」の1人、小泉元環境大臣。
バンキシャ
「小泉議員です」
23日、その姿は石川県輪島市に。能登半島地震の被災地を視察していた。「キリコ」と呼ばれる大きな灯ろうが町を練り歩く、伝統的な祭りが行われていたこの日。
市民
「頑張って」
市民
「総裁選、頑張ってください」
行く先々で、期待の声がかけられる。
市民
「進次郎!進次郎!進次郎!!」
バンキシャ
「進次郎コールがあがっています」
小泉氏の表情も、ほころんだ。
――視察後、小泉氏にも小石河連合について聞いた。
バンキシャ
「以前は小石河連合で河野さんがトップに立てば、日本は、自民党は変わると言っていたが、その点は?」
自民党・小泉進次郎元環境相
「リーダーにとって、リーダーが変われば政治が変わるのは当然のことです。『政治なんて誰がやっても変わらないよ』、そういう声は多くあると思いますが、そんなことはないです」
自民党・小泉進次郎元環境相
「リーダーを誰がやるかによって必ず、地域づくり国づくり、変わってきます。そう思っていただけるか、この総裁選は重要であることは間違いないことだと思います」
2人のライバルについては語らなかった。
しかし水面下では、“ある人物”が動き始めていた。菅前総理大臣だ。同じ神奈川県が地元で、いわば“師弟関係”。
3年前(2021年)、総理だった菅氏が退任を決めた時には…
自民党・小泉進次郎元環境相
「批判をされてばかりでしたけど、こんなに仕事をした政権はないと思います。感謝しかないですね。いっぱい…思い出すとね、言葉が浮かんできますけど…」
――涙を流し、いたわっていた。
そんな“愛弟子”の支援を決めた菅氏。複数の国会議員に電話をかけ、こう伝えているという。
「進次郎をやっていくからよろしく頼む」
菅氏の周辺の議員は、小泉氏支持で固まりつつあるという。
党の重鎮を味方につけ、30日(金)に出馬を正式表明する見通しの小泉氏。しかし党内では力量を懸念する声も根強い。
自民党幹部
「進次郎はリーダーに必要な外交経験が乏しく、党の要職もやっていないので総理としては経験不足」
***
そして「小石河連合」の3人目、河野デジタル大臣。24日、神奈川・平塚市にて、地元のバスケットボールチームの激励に訪れた。
司会
「それではよろしくお願いします!」
河野デジタル相
「うわ!」
司会
「ありがとうございました~!」
この時はユニホーム姿だったが…
河野デジタル相
「I‘m very sorry. How are you?」
それが数時間後には一転、スーツに身を包み、アフリカ3か国の閣僚と会談に臨んだ。安倍政権で外務大臣や防衛大臣を歴任。外交力が強みだ。
バンキシャ
「今回は石破さん小泉さんも出馬される見通しですが、どう見られていますか?」
河野デジタル相
「3人それぞれ頑張ろうと思います。総裁選挙ですから、終わったら自由民主党としてみんな1つになりますから、そこはご心配なく」
“ポスト岸田”へ。自らが所属する麻生派を中心に支持拡大を狙う河野氏。
54人を擁する麻生派は、裏金事件後も唯一、解散を決めていない。しかし“刷新感”が求められる選挙だけに、党内からはこんな声があがっているという。
自民党議員
「今回支持するには(河野氏が)麻生派を離脱することが条件だ」
多くの派閥が解散を決めてから初めての総裁選。どんな変化が起きているのか。
バンキシャが話を聞いたのは、安倍派に所属している、山田美樹議員。
山田 美樹 議員
「以前だったら派閥で(決める)というのがそうだったが、今回はそうではないので。みなさんどうするのかなってお互い意見交換する」
山田氏は小泉氏を支持することを決めたが、これまでの選挙とは違いを感じているという。
「より、ひとりひとりに『あなたはどう思うの?』ってことが問われる、今回の総裁選なんじゃないかなと思っています」
*8月25日放送『真相報道バンキシャ!』より