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「イベントワクワク割」も…政府が3回目接種を急ぐワケ

2022年4月6日 21:33
「イベントワクワク割」も…政府が3回目接種を急ぐワケ
ワクワク割HP

若者の3回目の接種率が伸び悩む中、政府は接種率をあげるため、大学への支援金やイベントチケットを割引する「イベントワクワク割」など追加の対策を検討している。ここにきて、政府が若者への3回目接種を急ぐワケとは。

■若者の接種促進へ…「わくわり」「ブロック割」

「接種のペースが下がっているな」

3回目接種の状況をみた岸田首相はこうつぶやいたという。6日に公表された3回目の接種率は43.6%。事実、3回目接種は、2月に1日あたりの接種回数を100万回とする目標を掲げ、その目標は達成されたが、ここ最近は、80万回程度と伸びていない。ワクチン接種を進める担当者は「高齢者施設の3回目接種は終わっているが、問題は若者の接種が進んでいないこと。どうやったら若者の接種が進むのか知恵を絞っている」と話す。

若者への接種を進めるため、政府が検討している対策はいくつかあるが、その1つが若者が「ワクチンを打ったらお得だ」と感じることを狙ったものだ。

3回目接種を終えた場合、一部の都道府県が住民向けに行っている旅行割引である「ブロック割」が利用できるが、これに加えてスポーツ観戦やコンサート、展覧会といったイベントのチケットを割引する「イベントワクワク割」も検討されている。

さらに、大学生などの接種率を上げるため、団体接種を行った大学などに支援金を出すことも検討している。今月からワクチン接種担当大臣となった松野官房長官は、文科相経験者であることから、大学を所管する関係団体に協力を要請をすることも調整されているという。

●「3回目接種は6割超えてG7のトップに」首相が焦るワケ

岸田首相は、先週、ワクチン接種の進捗状況の報告を事務方から受けた際「3回目接種は全体で6割超えるように。G7のトップに立たないといけない」と話し、さらなる接種促進に向けて対策の検討を指示した。

岸田首相が3回目接種促進を急ぐ理由について、ある官邸関係者は、「これまでの第6波などでは、若者から高齢者に感染が広がるという流れが続いているからすぐにでも対策を打たないと、GWを自宅で過ごすよう呼び掛けなくてはいけなくなる」と危機感を募らせる。

また別の政府関係者は「早晩『新型コロナのリバウンドがきた』と言われるから早めに対処したい。BA.2への置き換わりが急速に進むなか、今は国会でウクライナに関することばかりを野党が追及しているが、感染者が増えてきたら『ワクチン接種が進んでないから感染者数が増えているじゃないか』と言われかねない。そうならないように接種率をあげておきたいという狙いがある」と解説する。

岸田首相は、7日にも、若者の接種を進めるための新たな方針について国民に説明する見通しだ。引き続き、感染防止と経済再生の両立という難しいかじ取りが迫られる。