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新体制で内閣始動、チーム力アップできる?

2012年10月2日 19:48
新体制で内閣始動、チーム力アップできる?

 新体制となった野田内閣で2日、新閣僚らが本格的に動き始めました。野田首相が「発信力」を期待するとして起用した田中真紀子新文科相ですが、政府のエネルギー政策を「矛盾している」と述べるなどその発言が、さっそく波紋を呼んでいます。

 女性として唯一、入閣した田中真紀子新文科相。野田首相が「発信力を期待する」という田中新文科相ですが、一方、懸念の声もあがっています。そのひとつが「官僚との関係」。外相時代には、人事をめぐって官僚と対立したことから、外務省が混乱したこともありました。このため、今回も官僚との関係を懸念する声があがっているのです。この点について田中文科相は――

 田中文科相「今回、肝に銘じていますことは、“きわめて慎重”に、よく心耳をすませて、みなさまの声を、現場の声を聞きたいと思います」「役所と対立しようなんて全然思っておりません。いつぞやはたまたま運が悪かったんでございます。結果としてみなさまと一緒に心合わせて、できるだけ合わせてやっていきたいというふうに思っています」

 官僚とも協調して取り組む姿勢をアピールしました。

 ほかに指摘される懸念は「発言」。これまで、田中文科相は歯にきぬ着せぬ発言をすると評価される一方で、過激な表現だ、などとして批判されることもありました。1日も「2030年代に原発稼働ゼロ」と掲げる一方で、核燃料サイクル事業は続けるという政府の方針について、こう述べていました。

 田中文科相「大変、矛盾していると思いました。私も聞いていて」

 政府の方針を批判しているともとれる発言です。さらに――

 田中文科相「2030年まで、というのはなかなか厳しい、ハードルが高いのではないかと思います」

 こうした一連の発言について、藤村官房長官は「さまざま意見があるのは当然だと思う。その上で結果として、内閣として、方針を決めたら全員がそれに従う」と述べ、閣内不一致ではないと火消しにまわりました。すでに野党は追及する構えで、与党内にも内閣の不安要素になるとの見方も出ています

 一方、新旧財務相の引き継ぎでは――

 安住前財務相「はい、どっしりと宿題がありますがよろしくお願いします」

 城島新財務相「はい、いただきました」

 分厚いファイルを手渡し、引き継ぎを行う安住前財務相。安住前財務相は「毎日四六時中、財務大臣と国対委員長として連絡を取り合っていた関係ですから、安心してバトンタッチできると思います」と語りました。城島新財務相は党の国対委員長として、安住前財務相と協力し、消費税増税法の成立に尽力したのです。こうした点が野田首相に評価され、初入閣で「財務相」という重要ポストに起用されたとみられています。一方、安住前財務相は大きな拍手で見送られました。女性職員から花束を手渡されると、お礼とばかりに抱擁。そして、財務省を後にしました。 

 環境省では、細野前環境・原発相から長浜新環境・原発相に引き継ぎが行われました。細野前環境相は「福島のみなさんの立場に立って、国がもう大変な責任がある事故ですから、その思いを長浜大臣にも持っていただきたいなということだけです」と語りました。党の政調会長に就任した細野前環境相は、今後も党の政策責任者の立場で福島の復興に携わっていくということです。一方、初入閣の長浜新環境相は、これまでは官房副長官として野田首相を支えてきました。しかし、福島・郡山市での街頭インタビューでは「心配ですね。福島を知っている人になっていただきたい」などの声も聞かれました。

 長浜新環境相「福島の皆様方が満足できるような形の成果が出せるように大変微力ですが、頑張っていきたい」

 動き始めた野田再々改造内閣。ねらい通り、「チーム力をアップ」できるのでしょうか。