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なぜ今なのか…石原氏の新党結成表明

2012年10月25日 20:58
なぜ今なのか…石原氏の新党結成表明

 東京・石原慎太郎都知事は25日午後、東京都庁で記者会見を行い、都知事を辞職し、近く新党を立ち上げて国政復帰を目指す考えを表明した。このタイミングに新党結成を表明した狙いはどこにあるのか。政治部・佐藤圭一記者が解説する。

 石原氏の辞任表明には政界でも驚きの声が上がったが、石原氏としては、早ければ年内にも衆議院の解散・総選挙があると読んで、このタイミングで踏み切ったものとみられる。

 また、石原氏は25日の会見で、民主党が行った事業仕分けを「スタンドプレー」と厳しく批判し、自民党についても「愛想を尽かして辞めた」として、安倍総裁率いる現在の自民党も「評価できない」と批判した。

 その一方で、石原氏は「中央集権」と「官僚制度」の打破を強く訴え、大阪市の橋下市長を「大阪の仲間」と呼んでおり、総選挙や選挙後の連携を目指す方針を表明した。

 石原氏は、次の衆院選で自民、民主両党ともに過半数を得られないことを想定し、橋下氏らとの第三極で結集し、衆院選の後に政局の主導権を握るという青写真を描いているものとみられる。

 石原、橋下両氏のコンビには魅力があるとの声もあるが、民主党幹部からは「これでますます解散している場合ではなくなった」という声もあり、今回の石原氏の決断が総選挙を遠ざける可能性もある。さらに、東京都議会の議員からは、突然の辞任表明に「あまりに無責任だ」と反発する声も上がっているほか、「すでに旬は過ぎている」と冷ややかな見方があるのも事実だ。

 石原氏の後任を選ぶ東京都知事選挙は年内に行われる見通し。