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“ポップな投稿”狙いは? 加藤厚労相のSNS発信に密着 かつては面白みゼロ…「強力助っ人」の存在も

2022年10月29日 18:00
“ポップな投稿”狙いは? 加藤厚労相のSNS発信に密着 かつては面白みゼロ…「強力助っ人」の存在も

新型コロナウイルス対策などの陣頭指揮をとる加藤厚生労働相。ある助っ人を得て、その発信を強めていました。発信力を高めようとする、政治家の取り組みを追いました。

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いまや政治家にとって欠かせないのが、SNS戦略。

小泉進次郎議員「ちょっとインスタで発信をさせていただきます」

支持拡大の大事なツールのひとつになっています。27日、国会で「自撮り」に励んでいたのは…

「全力で臨んで参ります」

加藤勝信厚生労働相です。

加藤氏のツイッターより「今日は朝一番で散髪に行って参りました 散髪したてのヘアスタイルであります!」「今、森の中を散歩しております」「岸田総理から厚生労働大臣を拝命をいたしました」

どアップで撮られた自撮り動画は、いつしか「かつのぶフレーム」と呼ばれ話題に。

加藤氏のYouTubeより「ラーメンやうどんなど大好きですけれども、それ以外に、実はプリンとアップルパイも好物です」

また、プライベートの「質問コーナー」を配信するなど“政治家らしからぬ”ポップな投稿をし続けています。

しかし、以前は…

加藤厚労相「発信してないよほとんど」

記事の再投稿や活動報告など、面白みはゼロ。なぜ、現在のようなスタイルになったのでしょうか。ある日の撮影の様子を覗いてみると、そこには鋭いまなざしでチェックする1人の女性が。

女性「長い…まぁいいか」

加藤厚労相「長いっすか…」

女性「最初に結論言ってくれた方がよかった」

容赦なくダメ出し。実はこの女性

加藤厚労相「自分で撮れと娘から指示があって」

加藤厚労相の四女のはるかさん(22)。大学院で経済学を学ぶ学生ですが、1年ほど前から父親の面白みのない投稿を見かねて助言を始めたといいます。

はるかさん「専攻で行動経済学の中でもどうやって発信していくか、広報とかSNS発信とも結びついてるんじゃないかなと」

大学院で学んだこともいかしてアドバイス。さらに動画の編集作業も担当し、ツイッターのフォロワー数は倍増したといいます。

はるかさん「政治政策ということに対しての堅いイメージを持って、関心を持たないみたいな流れがあるのかなと思ってたので、それのギャップみたいなところを発信することで、政治とか政策への印象も柔らかくなっていって、関心を持つ人が増えていくのかな」

親子の何気ない会話で親しみやすい一面を引き出し、政治との距離を縮めるのが狙いです。

はるかさん「今後の(配信の)方針を伝えないと」

加藤厚労相「うん」

はるかさん「決めてるの方針?」

加藤厚労相「何も決めてない(笑)」

はるかさん「むちゃくちゃや…」

はるかさん「決めたの方針?決めたの?」

加藤厚労相「もう放心してるっていう」

はるか「何言ってるの…」

しかし現在、岸田内閣の支持率は政権発足以来、最低を記録。広がる政府と国民の距離に加藤厚労相は――

加藤厚労相「例えばマスクの件で、今屋外は原則マスクなしでいいですと、総理も率先してやっていただいてますけれども、なかなかそれが浸透していかない。いろんな機会を通じて何回も何回も、いろんなチャンネルを通じて進めていく必要があると思う」

一方、政権と対峙する野党側はアイデア勝負。立憲民主党は国会論戦の解説動画を配信。

吉田はるみ衆院議員「文部科学大臣は(宗教法人の)解散請求ができます。でも解散命令はできません」

国民民主党の玉木代表も…

玉木代表「このルート(SNS)で上がってくる声はどこよりも的確に吸い上げてる」

“簡易世論調査”のツールとして利用。

玉木代表「構造的な問題は息の長い関心を引き寄せるので、政策変更が必要なテーマだということがここ(SNS)からわかるので」

一時的な「いいね」の数だけではなく、コメントや視聴回数などを分析することで、本当に関心の高い政策を見極めているといいます。

SNSを利用して、国民と政治の距離を縮めることはできるのか。試行錯誤が続いています。

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