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集団的自衛権 村尾氏が石破幹事長に問う

2014年5月17日 0:34
集団的自衛権 村尾氏が石破幹事長に問う

 日本の安全保障政策は大きく変わるのか。15日の会見で集団的自衛権の行使に意欲を示した安倍首相だが、首相の真意はどこにあるのか。この問題のキーマンである自民党の石破幹事長を、「NEWS ZERO」の村尾キャスターが直撃した。

■“集団的自衛権”が必要な理由は?

 村尾キャスター「集団的自衛権の行使が必要とされるようになってきた国際情勢の変化、大きなものはなんだとお考えでしょうか?」

 石破茂幹事長「今アメリカも、どんどん国防予算を減らしている。(そんな中)ものすごく軍事力を強化している国がある。あるいは核ミサイルを着々と開発している国がある。今やっておかないと本当にまた紛争が起こることになりかねない。そういう危機意識ですね」

 村尾キャスター「具体的に言うと中国と北朝鮮ということでしょうか?」

 石破茂幹事長「中国の意図はわかりません。わかりませんが軍事力が着々と強化されつつあることは間違いない事実だ。あるいはベトナムとのいろんなトラブルをめぐっても軍事力というものを背景にした力による現状の変更というものが行われつつあることも我々は認識しています。北朝鮮が核ミサイルを着々と開発しつつあるのは間違いない事実であって、それはかなりのレベルまで到達している可能性があると私は思いますね」


■日中間の緊張がむしろ高まるのでは?

 村尾キャスター「この集団的自衛権の行使ということを日本が踏み出すことによって、日中間の緊張をさらに激化させて、武力衝突の危険性もむしろ増えるのではないか?」

 石破茂幹事長「集団的自衛権という概念は全ての国連加盟国が持っている、そういう固有の権利ですよね。中国が『日本だけがそんなものを使ってはいけないんだ』それは言わないですよ。ですからきのう(15日)総理の会見があっても、中国は『日本はそんなことを使うのは認めない』って言ってないでしょ」


■個別的自衛権で対応できるのでは?

 村尾キャスター「公明党の山口代表も多分にそこは『個別的自衛権という概念で対応できるのではないか』と言っているが?」

 石破茂幹事長「日本人を多く乗せているとしても、アメリカの国旗を掲げた、アメリカの主権を体現するそういう船なわけですよね。個別的自衛権で対応できるとは私は考えません」

 村尾キャスター「できる限り個別的自衛権の対応で、という考えも一理あると思うんですが?」

 石破茂幹事長「それは一理も二理もありますよ。ですけれど、それが国際社会でどう見えるのか。日本の側から見ればそういう理屈を立てることも可能かもしれません。しかし攻撃を加えた側から見れば、アメリカに対して攻撃を仕掛けた、しかしそれに日本が個別的自衛権で反撃した。まかり間違うと、日本が先制攻撃を仕掛けたという評価になりかねない」


■憲法改正で対応すべきでは?

 村尾キャスター「集団的自衛権の行使を容認するのであれば、歴代内閣の方針に沿って憲法改正という形で、その是非を国民に問うべきではないかという意見も多くあるが?」

 石破茂幹事長「明確に集団的自衛権行使不可というふうに書いてあれば、それは憲法改正しなければだめですよ。9条に集団的自衛権の行使が禁ぜられてない以上は、それは解釈を変えて、憲法全体の趣旨に則ったようにすべきなんじゃないでしょうか」

 村尾キャスター「憲法9条の文言だけをもって集団的自衛権は禁止されていないという議論は、いささか乱暴だと私は思いますが?」

 石破茂幹事長「そこは乱暴か乱暴じゃないかは、これからいろんな議論をして、国民のみなさんがどのようにご判断になるかということです。だけど一番大事なことは何だろうかということを考えた時に、日本の独立と平和、国民の生命と財産、これを守るために政府としては、与党としては何をすべきなんだろうかということなんですね」