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なぜ今“解散”?政治部長が解説

2014年11月16日 21:06

 この1週間、急に衆議院の「解散風」が吹き荒れた印象がある。安倍首相はいつごろから解散を考えていたのだろうか?そして今なぜ解散なのか?日本テレビ政治部の伊佐治健部長が解説する。

 伊佐治部長「『疑惑リセット解散』という声も出ているが、実はそもそも政府内で年内解散は一つの魅力的な案として春頃から囁(ささや)かれてはいた。拉致問題をめぐる日朝交渉で成果を上げる事ができたら、11月には日中首脳会談を実現し、そこで消費税を先送りして信を問うとのシナリオだった。ある閣僚の一人も、消費増税の判断は解散の時期と強く絡んでいると話していた」

 「しかしそこに出てきたのが2人の女性閣僚の問題で、明らかに誤算だった。3人目の辞任があったら危ないとまで言われ、来年以降に不安が高まった。大きなプラス要因になるはずだった日朝交渉が停滞する一方、予想しなかったマイナス要因が飛び出し、下手をするとじり貧に追い込まれかねない。ここで本来もくろんだ『攻め』の解散が、ダブル辞任を受けて『守り』の解散に性格を変えて首相の決断を後押しした面もあったかもしれない。実際、ダブル辞任があった週、幹部が自民党の選挙資金を内々に確認するなど動きが始まったとの情報がある」

 (Q)安倍首相は16日午後の記者団の取材に対し「これまで解散に言及した事はない。この言い方を今変える段階にはない」と解散についてなお明確に語らなかったが、なぜ首相不在の中、解散論が止まらなくなったのか?

 「まだ任期が2年残っているのに解散と言ったら普通は党内に反発が出るものだが、今回みんな最初は驚いたものの、よく考えてみると何かと都合の良いタイミング。自民党、そして公明党の間にも『いいね!』『いいね!』とあっという間に容認論が広がった。こうなると止まらない。安倍首相がやめる訳にもいかなくなる」

 (Q)17日に首相が帰国するが、今後の政治日程はどこに注目をする?

 「注目の経済指標である7月から9月期のGDP(=国内総生産)の速報値が17日に発表される。これを受け安倍首相は18日の自民党臨時役員会で増税の先送りと解散の意向を正式に表明し、19日に解散に踏み切る日程で与党に指示を出している。公示は2日、投開票は14日の日程が固まっている」

 (Q)NNNがこの週末に行った世論調査によると、安倍首相の決断による12月の総選挙に反対する人が、65.7%となっているが…。(賛成は20.9%、「わからない、答えない」は13.5%)

 「ある首相に近い議員は、安倍首相を『勝負師』と呼んで評価。権力闘争を勝ち抜くための政治家としての勝負勘かもしれない。しかし政治の論理は有権者にはわかりにくい。国民が納得する理由をしっかり説明しなければならない」

 <NNN電話世論調査>
 【調査日】11月14日~16日 
 【全国有権者】2074人
 【回答率】50.9%

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