自民党“裏金問題” 安倍派幹部らの処分「重くなる」 複数の党幹部が見通し示す <中継>
自民党のいわゆる裏金問題をめぐる処分問題で、複数の党幹部が安倍派幹部らの処分について「重くなる」との見通しを示しています。今後どうなるのでしょうか、中継です。
これまでの取材で、まず処分対象は不記載のあった安倍派・二階派の議員82人全員、一斉処分になる方向です。
処分内容ですが、自民党の8段階の処分のうち、今回、最も重い「除名」や、2番目の「離党勧告」について、複数の政権幹部は「適用されない」との見通しを示しています。
安倍派幹部らについては、3番目に重い「党員資格停止」や、4番目の「選挙での非公認」が軸となります。そして、ほかの議員については原則、軽い方から2番目の「戒告」処分となる方向です。
――処分を行うにあたって、難しさはどこにあるのでしょうか?
今後、処分する「基準」を決めますが、岸田首相は周辺に「どう決めても批判が出る、難しい」と話しているということです。
以下の3つの困難が待ち構えていると考えられます。
1.安倍派幹部らの反発
2.二階元幹事長側の反発
3.茂木幹事長との微妙な距離
1つ目は「安倍派幹部らの反発」です。安倍派幹部について首相周辺は、「厳しい処分でなければ世論の理解は得られない」と話していますが、ある自民党幹部は、「すでに政府・党の役職を辞めるなど政治責任はとっている」と慎重な姿勢です。ある閣僚経験者は、「『政倫審』に『処分』と続けば、安倍派の岸田首相への恨みはさらに大きくなる」と話しています。
――2つ目、「二階元幹事長側の反発」とは、どういったことでしょうか?
今回、「不記載額が多いか」も処分を決める基準の1つとなっています。
額でいうと立件された議員を除くと、二階氏の金額が一番多く、首相側近議員は「金額も大きく、役職も重い」と、処分せざるを得ないとの見方を示しています。しかし、二階氏の処分には二階派はもちろん、岸田首相側近議員も「慎重にすべき」と話しています。「安倍派に加えて二階派なども敵に回せば、党内に味方がいなくなる」と心配しているわけです。
また、派閥トップの処分を決めれば「岸田派トップだった岸田首相の責任は?」という声も出てくることが予想されます。
そして、3つ目は「茂木幹事長との微妙な距離」です。
岸田派の解消を事前に伝えなかったことなど、コミュニケーション不足が重なり、岸田首相と茂木幹事長との関係はこれまでになく悪化しています。
No.1、No.2の距離が開く中、党の命運を握る処分問題で、党内外の納得感がある結論が導き出せるのか。4月上旬の岸田首相のアメリカ訪問前には決めたい考えですが、政権幹部は「どうなるか先がみえない」と話しています。