自民・石井委員長「野党がだらしない」発言撤回 野党“山際氏は引き際”
国会では、18日も世界平和統一家庭連合、いわゆる“統一教会”の問題などについて論戦がかわされました。この質疑を巡り17日夜、自民党の石井参議院・議院運営委員長が、「野党がだらしない」などと発言し、野党側は国会での謝罪を求めています。こうした中、18日、元妻が信者で、長男が自殺し、教団により家庭が崩壊したと訴える橋田達夫さんが、“教団”側に抗議書を提出しました。その理由とは…。
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18日、参議院で議院運営委員長を務める、自民党の石井準一議員が釈明に追われました。
自由民主党 石井参院議運委員長
「昨日の私の発言は撤回をさせていただき、おわびを申し上げる次第でございます」
その発言が飛び出したのは17日夜、国会論戦後の老舗料亭でした。
岸田首相らとの会食を終え、会話の内容を聞かれた石井委員長は――
自由民主党 石井参院議運委員長
「どんな話って…(ほぼ定刻の)5時1分で衆の予算委員会が終わるなんて緊張感がないねって、野党側に。“瀬戸際大臣”の首とるのに5時1分に終わって首とれんのか。野党がだらしないねって話」
“瀬戸際大臣”、つまり、山際経済再生相を辞任に追い込めない野党を挑発したのです。
この発言について、野党は――
立憲民主党 安住国対委員長
「『山際の首を取った方が世の中のためになるんだったら、野党そうしてくれ』と頼んでいるんですかね」
立憲民主党 泉代表
「野党がだらしないのって話じゃない、与党にけじめがない。そして、閣僚に自覚がない。岸田総理には決断力がない。そういうことじゃないでしょうか、皆さん」
この問題を巡っては、野党4党の衆参の国対委員長が会談。石井委員長に国会での説明や謝罪を求めることで一致し、石井委員長は19日、国会で謝罪する事になりました。
なぜ、このような発言に及んだのか。
――あくまでも石井議員の主観として思いを述べた?
自由民主党 石井参院議運委員長
「そうです」
一方で、記者が「“瀬戸際大臣”とは誰のことを指す発言か」と問うと、石井参院議運委員長は、「そのように私が発したならば、皆さま方がご承知の大臣だというふうに認識しております」と答えました。
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山際経済再生相は、教団との接点について指摘されてから弁明を繰り返しています。18日も厳しい追及がありました。
立憲民主党 後藤祐一議員
「大臣の言うセリフが何を信じていいかわかんないですよ、国民からすれば。“後出し”はない、これ以上ないということで、山際大臣いいですね」
山際経済再生相
「さまざまな理由で、過去のことがですね、真摯(しんし)に説明できないような状況になっているっていうのは、これまでもご説明した通りです。したがって、これから何か新しい事実等々が、様々なことで出てくる可能性というものがございますので」
立憲民主党 後藤祐一議員
「総理、まだあるそうです。そろそろ引き際じゃないですか」
岸田首相
「新たにそういった事案が発覚した場合には、説明責任を尽くしていく」
そのうえで、岸田首相は、「教団との関係を断つことを条件に、山際経済再生相を任命した」と述べました。
また、教団の被害者を救済するための法案を、今国会に提出するよう求めた野党に対し、岸田首相は、今国会を念頭に準備を進める考えを示しました。
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こうした中、18日、元妻が信者で、長男が自殺し、“教団”により家庭が崩壊したと訴える橋田達夫さんが、“教団”側に抗議書を提出しました。
元妻が“統一教会”信者 橋田達夫さん(64)
「相手の家庭まで入るっていうことは、絶対したらいかんことなんですよ。ましてや、命なんか落としてる家庭ですからね。もう全く考えていないと。これはもう非常識以上のもんです」
怒りの理由は16日、教団の「教会改革推進本部」の勅使河原秀行本部長が、高知県の自宅に、“アポなし”で1人で訪問してきたことでした。
元妻が“統一教会”信者 橋田達夫さん
「『勅使河原です。橋田さんと直接会いたいと思って、直接来ました』と言って、マスクなしで来たんですよ。『マスコミには出ないでください』というお話でした」
橋田さんは警察に通報し、10分ほど話して帰ってもらったといいます。
元妻が“統一教会”信者 橋田達夫さん
「そこまでやるんですかと、“統一教会”は。これ以上の怒りはないですわ」
教団側は訪問の理由について、「本人がメディア上で勅使河原本部長の対応を求めていたため、要請に応えるべく訪問した」とし、抗議書については、「内容を見ていないのでコメントできない」としています。