沖縄のアメリカ軍普天間基地の移設問題で政府と沖縄県の対立が続く中、菅官房長官と翁長知事が３１日、会談したが、話し合いは平行線に終わった。

　普天間基地の移設をめぐっては、沖縄県の第三者委員会が名護市辺野古の埋め立てを承認した前の知事の判断に法的に誤りがあったとする報告書を提出している。会談で翁長知事は、この報告書を踏まえ、埋め立て承認の取り消しも辞さない考えを示した。

　翁長知事「第三者委員会の件もですね、法律的な瑕疵（かし）があるということで、これをベースにしながら、これからいろいろ議論もさせていただきたいと」

　これに対し、菅官房長官は「これまでの経緯を踏まえながら話し合っていきましょう」と述べるにとどまった。

　また、翁長知事は、政府が埋め立て工事の着手に向け、県との事前協議を求める文書を提出したことについて、菅官房長官に文書の取り下げを求めた。しかし、菅官房長官は工事を進める政府の立場に変更はないことを伝えたということで、進展は見られなかった。

　こうした中、中谷防衛相は会見で、「事前協議は県側から求められているものだ」として、文書の取り下げには応じない考えを示した。