フィリピンのマニラで１９日夜、日米首脳会談が行われた。中国が強引な進出を行う南シナ海問題に関して、安倍首相はオバマ大統領に、「自衛隊の活動は、情勢を注視しつつ検討したい」と伝えた。

　日米首脳会談は、およそ１時間半にわたって行われた。オバマ大統領が「安全保障と経済について話したい」と切り出すなど、かなり実務的な会談となった。

　安倍首相「日本の積極的平和主義と米国のリバランス政策が連携し、地域の平和、安定、繁栄のためにより一層貢献していく」

　会談では、オバマ大統領が、アメリカ海軍が南シナ海で行った“航行の自由作戦”について、「日常の行動として実行する」と述べ、今後も強い姿勢で臨む決意を伝えた。

　これに対し安倍首相は、作戦への支持を伝えたうえで、「南シナ海での自衛隊の活動は、情勢が日本の安全保障に与える影響を注視しつつ検討する」と述べた。首相周辺はこの発言について、「何も決めていないということだ」と話していて、今後の自衛隊派遣の可能性をにじませつつも、最終的には日本が自主的に判断するための発言だと解説している。

　パリの同時多発テロに関しては、一言、安倍首相が「バラクと同じく激しい憤りを感じている」としたうえで、「シリア危機の解決が重要」と指摘するにとどまった。