甘利大臣、ダボス会議出席へ 野党反発必至
甘利経済再生担当相の金銭授受を巡る疑惑は国会審議にも影響を与えている。安倍首相による施政方針演説などが行われた衆議院本会議で、野党6党は甘利経済再生担当相の経済演説を退席した。
民主党など野党側はこれまで求めて来た甘利経済再生担当相からの説明がないとして、経済演説の直前に議場を後にした。首相が1年の基本方針を示す本会議を野党が途中退席するのは極めて異例のこと。
甘利経済再生担当相は演説の冒頭、「申し訳なく思っている」と陳謝した。
甘利経済再生相「演説に先だち一言申し上げます。今回の週刊誌報道の件でお騒がせしている件については、大変申し訳なく思っております。国民に疑惑を持たれないよう、しかるべき時期にしっかりと説明責任を果たしてまいります」
甘利経済再生担当相は1週間以内に調査報告を行う考え。
民主党・岡田代表「(調査に)1週間とか第三者(も調査)というのは全くの先延ばし以外の何ものでもない。総理の任命責任も重大だというふうに考えております」
野党側は、甘利経済再生担当相の疑惑を今後も徹底追及していく考え。
政府・与党内には甘利経済再生担当相がきちんと説明すれば問題はないとの声がある一方、ある閣僚経験者が「審議に悪影響を与えてはいけないと辞任するしかないのではないか」と述べるなど、辞任は避けられないとの見方も出ている。
こうした中、甘利経済再生担当相が、スイスで行われているダボス会議に23日から出席することが発表された。甘利経済再生担当相のダボス会議出席を巡っては、参議院で共産党が「国民への説明責任を果たすことを優先するべき」として反対しており、承認が得られていない。
国会の承認がないまま閣僚が海外訪問するのは異例のことで、野党側がさらに反発することは避けられず、国会運営に影響が出ることが予想される。