あす日露首脳会談 北方領土問題の進展は?
注目の日露首脳会談で北方領土問題の進展はあるのか。安倍首相の同行取材をしている矢岡亮一郎記者が伝える。
安倍首相は6日、ロンドンからロシアへ移動しプーチン大統領との首脳会談にのぞむ。安倍首相周辺は、「2人だけの時間をたっぷり作る。会えるだけでは駄目だ」と交渉進展に向け、意気込みを語っている。
プーチン大統領との会談は、第1次安倍政権から数えて、実に13回目となる。2人の関係について、日本政府関係者は口をそろえて「とても相性がいい」と話している。ただ、それぞれの思惑には違いがある。安倍首相が北方領土問題の解決を最優先にしているのに対しプーチン大統領は、経済協力を強く求めている。前回のトルコ、前々回ニューヨークで行われた首脳会談も取材したが、プーチン大統領の冒頭発言はいずれも経済協力の話に終始していた。
日本側はどうやって打開を図るのか。6日の会談で安倍首相は、エネルギー開発など複数の協力プランを提示することを検討している。プーチン大統領の求めに、具体的なプランを提示することで、ロシアから領土問題での前向きな対応を引き出す狙いがある。安倍首相は北方領土問題を外交分野での最重要課題の1つと位置づけており、日本政府高官は「安倍首相とプーチン大統領でなければ、この先何十年も解決できない」と意気込みを語っている。
一方で、プーチン大統領は先月記者団に対し、北方領土問題について、「いつか妥協点が見つかると思う」と発言した。これは解決への意欲の表れとの見方も出ている。
6日の会談の焦点は、2009年を最後に途絶えているプーチン大統領の日本訪問に、具体的な道筋をつけられるかどうか。安倍首相周辺は「手元に色々なカードを持って相手の顔色を見ながら出していく」と話している。