岸田首相「解散考えていない」…議席を減らすと判断か トラブル相次ぐ…公明党の支持母体からもけん制の声
岸田首相は、今国会での解散について「考えていない」と表明しました。茂木幹事長は“課題を最優先で進めるため”と説明しましたが、実際は相次いだトラブルでの支持率の低下や、公明党との関係から、解散しても議席を減らすと判断したためとみられます。
■首相「解散は考えていない」…本当か
有働由美子キャスター
「小栗さん、『解散は考えていない』、これ15日は考えていないだけで、やっぱり解散するってなることは…?」
小栗泉・日本テレビ解説委員
「有働さんが疑心暗鬼になる気持ちはよくわかりますが、さすがに『解散』というみんなが注目していて、首相だけが抜くことができる『刀』について、これ以上の言葉遊びをしたら信用がなくなりますから、それはないと思います」
■相次いだトラブルと支持率低下 公明党の支持母体からけん制も
有働キャスター
「なるほど。15日に重要法案成立のメドがたったから解散見送りを表明したということですが、ただ、“その法案を成立させた上で解散する”という選択肢もありましたよね?」
小栗解説委員
「そうですね、茂木幹事長は『様々な課題への取り組みを岸田政権として進めている途中で、それをさらに前に進めることを最優先する判断だ』と説明していますが、これは“公式見解”でしょう。実際には、マイナンバーカードのトラブルが相次いだり、首相の長男で秘書官だった翔太郎氏が、不適切な行動で辞職したりして、内閣支持率が下がってきていること。それから、連立を組む公明党と東京の選挙区調整がご破算となるなど関係が良くない中、公明党の支持母体である創価学会の関係者が『もし解散するなら、自公政権の崩壊になる』とけん制する声もあがっていたことなどから、今、解散して選挙をしても、議席を減らすという見通しに落ち着いたのだと見られています」
「ただ、今回の首相の言動には、自民党の中からも『解散風を吹かせて、解散権をもてあそんだだけだった』という声も聞かれて、今後の、首相の求心力にも影響しそうです」
(6月15日放送『news zero』より)