首相、消費増税の再延期伝達 財務相ら反対
安倍首相は28日夜、首相公邸で麻生財務相らと会談し、消費税の増税を2019年10月まで再び延期する意向を伝えた。しかし、麻生財務相らは反対した。
伊勢志摩サミットでの議論を受ける形で、来年4月に予定されている消費税率の引き上げを見送る意向を固めた安倍首相は、早速、28日夜、麻生財務相や自民党の谷垣幹事長らに、引き上げを2年半延期する意向を伝えた。
およそ1時間半にわたった会談で、安倍首相は消費税率の10%への引き上げを2019年10月まで2年半延期する意向を伝えた。首相周辺によると、2020年度に国の税収と支出を同じにするという財政健全化目標を崩さない範囲で、最大限の幅をとるため、2年半の延期幅にしたという。
ある与党幹部は、「2019年10月は統一地方選挙も終わっているし、次の次の参議院選挙の後だからいいと思う」と話している。
しかし、28日夜の会談では、これまで予定通り来年4月に引き上げるべきとの考えを示してきた麻生財務相と谷垣幹事長が反対し、引き続き調整することになった。
自民党幹部の一人は、「前回の選挙で訴えたことと全然違うなら、衆議院を解散しないと国民に納得してもらえない」と話している。
また、伊勢志摩サミットの議論を受けた形での消費税率引き上げ見送りについては、民進党の岡田代表が、「アベノミクスの失敗を糊塗(こと)しようとしている」と批判しているほか、自民党内からも「日本のかじ取りをおかしくする」との声も出ている。
安倍首相が、今後、どのように調整を進め説明するかが、焦点となる。